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Follow @mushmusicschool現役クリエイター直伝!DTMミックス・マスタリングシリーズ「第10回:トラックごとのコンプレッサーの掛け方・実践テクニック〜おしゃれポップス編① :ドラムトラック(キック & スネア)」
2022/3/4
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回のブログから以前までに執筆してきましたコンプレッサーに関するブログをさらに深掘りして、「各トラック(楽器)におけるコンプレッサーの掛け方の実践テクニック」を数回に渡り解説していきたいと思います。
第10回目となる今回は「トラックごとのコンプレッサーの掛け方・実践テクニック〜おしゃれポップス編① :ドラムトラック(キック & スネア)」について解説していきたいと思います。
ここでは以前に執筆してきました「Rcompressor」やトランジェントシェイパー「Smack Attack」のより実践的なテクニックも含まれていますので今までのブログと併せてじっくりと見ていきましょう。
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動画解説
筆者が当スクールのブログ内で紹介している様々なテクニックを活用して、実際にどのような楽曲を制作しているのかの一例として、下記のYouTubeチャンネルもご覧いただければと思います。
目次
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
まずはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
今回はこちらのデモ楽曲を使用しての「おしゃれポップス編①ドラムトラック(キック & スネア)」の解説となります。
生徒さんの中でも、特にこの「コンプレッサー」に関しては「どのように設定すれば良いのか分からない…」という場面が多く見受けられるように感じます。
10回目となる今回は前回までのブログ(第7回~9回)からの流れをさらに深掘りして、楽曲の中での「コンプレッサー」および「トランジェントシェイパー」のそれぞれの役割と設定の仕方を解説していきたいと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
②トランジェントシェイパーの効果の違いを活用する (キック & スネア)
今回のデモ楽曲で使用しているトランジェントシェイパーは「WAVES : Smack Attack」になります。
キック、スネアともにこの「WAVES : Smack Attack」を使用していますが、「キック、スネアそれぞれで異なった効果を得る」ために使用しています。
◉キックの場合 : アタックを強調しミックスの中でヌケを良くする使い方
◉スネアの場合 : やや出過ぎているアタックを抑え、楽曲全体での馴染みを良くする使い方
となっています。
ではプラグインのON/OFFで聴き比べてみましょう。
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF (ドラムトラック全体)
DRUM_ON
DRUM_OFF
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF (ドラム & ギター & ベース)
FULL_KIT_ON
FULL_KIT_OFF
いかがでしたでしょうか?
「Smack Attack」のように「トランジェント = 音の奥行き~遠近感」をコントロールするプラグインは「コンプレッサー」などの「いわゆるダイナミクス系プラグイン」として同じ仲間として捉えてミックスに活用するのがオススメです。
③トランジェントシェイパーやコンプレッサーを使用する時の全体像の捉え方
今回のようにキックとスネアに適用しただけでもミックス全体のまとまり感~グルーヴ感がグッと増したのが感じられるかと思います。
また今回の「Smack Attack」にも「コンプレッサー」にも言えることですが、「キット単体で音作りをしながらも、ミックス全体で音を鳴らしながらエディットを進めていくクセをつけるようにするのがポイント」です。
前回のブログでも少し触れていますが、そのような意識を常に持つことでトラック単体で聴くと良い感じだったものがミックス全体で聴くとイマイチ効果が薄かったり、また逆に強くかけ過ぎてしまっていたりということを回避することができ、
「よりミックス全体を意識した音作りができるようになる」ので、 「プラグインを適用する度合いを実感しながらミックスを進めていくことができる」ようになってきます。
イメージとしては、
①木を見て(1トラックのみで聴く)
②林を見て(複数のトラックで聴く)
③森を見る(ミックス全体で聴く)
という感覚を常に持つことがミックスのレベルアップのポイントと言えるでしょう。
④トランジェントシェイパーの各パラメーターの概要とエディット
では「Smack Attack」の各パラメーターについて見ていきましょう。
キックトラック
◉Attack (アタック): 20
音のアタック感 = 音像の張り出し感の調整。
数値が大きくなるほど音像の張り出しが強くなる。
◉Sensitivity: 15.5
「Attack」で音が前に出てきた際、「Sensitivity」で「どこまでのレベルをアタック強調の対象とするのか」を決めていきます。
この辺りの考え方は前回までのブログ(第7回~9回)で解説している「スレッショルド」のレベル調整と似た構造になっています。
「Sensitivity」の値が大き過ぎるとゴーストノートのような細かいアクセント音まで強調されてしまい、のっぺりとした印象のフレーズ感になってしまうので、値を下げてキックの細かいフレーズが活きるようにエディット。
◉トランジェント・シェイプ: ネイル
ここでは「Attack」で設定した値をどのような形状で強調するかを調整。
左から「ニードル」「ネイル」「ブラント」の3種類に分かれており、今回はベースのアタック感、音の太さのバランスを考えて中間の「ネイル」を選択。
左の「ニードル」を選択すると音のシャープさは増しますが音の太さがやや失われます。
◉Duration: 1.50
「Duration」では「アタックを強調する時間を調整」。
この値が大き過ぎると「Sensitivity」と同様に全体のレベルが上がってしまい、のっぺりとした印象のフレーズ感になってしまうので、注意が必要です。
◉Guard: OFF
「Guard」はリミッターのような効果を得られるものですが、デフォルトの「OFF」のままでOKです。
スネアトラック
◉Attack (アタック): -15
「マイナス15」にすることで、キックとは逆に「出過ぎてるアタックの音像を少し後ろへ下げる役割」を担っています。
◉Sensitivity: 15.5
◉トランジェント・シェイプ: ネイル
◉Duration: 1.50
◉Guard: OFF
いかがでしたでしょうか?
今回はリズムの要となる「キック & スネア」を中心に解説いたしましたが、これらは他のどんなトラックでも有効なテクニックとなっています。
まずは「キック & スネア」でエディットの感覚を掴んでいくと良いでしょう。
「トランジェントシェイパー」を「コンプレッサー」と同系列のプラグインとして扱うことで、より早く的確にご自身の狙った音に近づけるのではないかと思います。
また、生徒さんの中でも多く見受けられる傾向として、
「パラメーターをどんどん自由にエディットしてみよう!」という考え方と
「とりあえず闇雲にエディットしたまま、何の効果を狙っていたのか分からなくなり、そのまま放置してしまう」という考え方 がごちゃ混ぜになってしまっている場合があります。
「何かひとつのパラメーターを大きくエディットしたら、 今回のような基本設定に一度戻してみて、そこから再度エディットを行う」という流れを掴むと良いでしょう。
次回の第11回で「各楽器ごとのコンプレッサーの掛け方」にスポットを当てる流れを継承しつつ、ハイハットやタム、シンバル、ベースなどの「いわゆるリズム隊」でのコンプレッサーの活用テクニックを解説していきたいと思いますのでお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
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KONTAKTフォーマット用サードパーティー製ソフト音源の活用方法シリーズ
まとめ
①「トランジェント = 奥行き~遠近感」を理解することでキック、スネアの「音像内での位置関係を理解」しよう!
②音作りのポイントは「キット単体で聞きつつミックス全体で聴くという流れを繰り返すこと」!
常にお互いを行き来する感覚を身につけよう!
③「どんどん自由にエディットすることと途中で放置してしまうことは別」!
方向性に迷ってしまったらブログの記事を参考に一旦ゼロの状態へ戻って作業を再開しよう!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF (ドラムトラック全体)
DRUM_ON
DRUM_OFF
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF (ドラム & ギター & ベース)
FULL_KIT_ON
FULL_KIT_OFF
画像解説
①SMACK_ATTACK_KICK
②SMACK_ATTACK_SNARE
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