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Follow @mushmusicschool現役クリエイター直伝!DTMミックス・マスタリングシリーズ「第11回:トラックごとのコンプレッサーの掛け方・実践テクニック〜おしゃれポップス編② :ドラムトラック(ドラムキット全体)」
2022/3/24
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回のブログから以前までに執筆してきましたコンプレッサーに関するブログをさらに深掘りして、「各トラック(楽器)におけるコンプレッサーの掛け方の実践テクニック」を数回に渡り解説していきたいと思います。
第11回目となる今回は「トラックごとのコンプレッサーの掛け方・実践テクニック〜おしゃれポップス編② :ドラムトラック(ドラムキット全体)」について解説していきたいと思います。
ここでは以前に執筆してきました「Rcompressor」のより実践的なテクニックも含まれていますので今までのブログと併せてじっくりと見ていきましょう。
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動画解説
筆者が当スクールのブログ内で紹介している様々なテクニックを活用して、実際にどのような楽曲を制作しているのかの一例として、下記のYouTubeチャンネルもご覧いただければと思います。
目次
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
まずはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
今回はこちらのデモ楽曲を使用しての「おしゃれポップス編②ドラムトラック(ドラムキット全体)」の解説となります。
生徒さんの中でも、特にこの「コンプレッサー」に関しては「どのように設定すれば良いのか分からない…」という場面が多く見受けられるように感じます。
11回目となる今回は前回までのブログ(第7回~10回)からの流れをさらに深掘りして、楽曲の中での「コンプレッサー」のそれぞれの役割と設定の仕方を解説していきたいと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
※キックとスネアに関するトランジェントシェイパーの活用方法は前回のブログをご覧下さい。
②抑揚がありすぎる音を整える (ハイハット & タム & シンバル)
今回のデモ楽曲で使用しているコンプレッサーは「WAVES : RCompressor」になります。
ハイハット・タム・シンバルともにこの「WAVES : RCompressor」を使用していますが、 ここでのコンプレッサーは「抑揚がありすぎる状態の音を少し整える」という役割を担っています。
近年のドラム音源は「レコーディングした時の生々しい状態の音(=何も処理されていない状態の音)」をより忠実に再現する傾向が強いため、プラグインで何もエディットしていない状態では音に抑揚がありすぎて楽曲全体での馴染みが悪くなってしまい、ドラムトラックだけ浮いた状態になってしまいがちです。
なのでコンプレッサーを適切にかけることで「生々しすぎる状態の音を楽曲に馴染むように整える」必要があります。
ではプラグインのON/OFFで聴き比べてみましょう。
ここではハイハット・タム・シンバルの抑揚に注目して聴いてみて下さい。
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : コンプレッサー (RCompressor) : ON / OFF (ドラムトキット全体)
DRUMS_COMP_ON
DRUMS_COMP_OFF
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : コンプレッサー (RCompressor) : ON / OFF (ハイハット / タム / シンバルのみ)
HIHAT_TOM_CYMBAL_ON
HIHAT_TOM_CYMBAL_OFF
いかがでしたでしょうか?
このようにコンプレッサーを適切に使用することで抑揚がありすぎる状態の音を整えることができ、 ドラムの各キット(キック・スネア・ハイハット・タム・シンバル)をまとまりのある状態にすることができます。
③ドラムキットにコンプレッサーを使用する時のイメージの掴み方
ドラムキットにコンプレッサーを使用する時の考え方として、まず皆さんが普段聴いているお気に入りのアーティストの楽曲のドラムキットの音をじっくりと聴いてみて下さい。
それら概ねの楽曲で言えることは「実際に抑揚があるのではなく、抑揚があるように聴こえるようにエディットされている」場合がほとんどです。
ですので、今回のデモ楽曲のような曲のドラムキットでコンプレッサーを使用する際は、「実際の抑揚(= レコーディングされた時の生々しい状態)」を活かしつつも、それらを少し抑えて整えることを意識して、 「抑揚があるように聴こえつつまとまりがあり、不要なレベルのピークも抑える」という結果になるようにしましょう。
④コンプレッサーの各パラメーターのエディット
では「RCompressor」の各パラメーターについて見ていきましょう。
今回のデモ楽曲のような曲ではドラムキットに適用するコンプレッサーは「ドラムフレーズの抑揚を活かしつつも少し抑えてまとまり感を作るというナチュラルな掛け方」に設定するのがポイントになってきます。
ですが、何をするにもまず「基準となるパラメーターの値」がある方が良いですし、その基準値さえあればそこからより強くコンプレッサーをかけたり、より弱くかけたりと「さじ加減」を変えることができるかと思います。
その「基準とななるパラメーターの値」がハイハットとタムで使用している値になります。
各パラメーターの概要に関しては以前に執筆したブログを参照していただくとして、 まずはこれらの設定値をひとつの基準値として皆さんの楽曲制作の中で実践で活用してみましょう。
これは筆者が長年の制作の中で導き出した基準値なのですが、コンプレッサーの設定としては楽器を問わずオールマイティーに活用できます。
実際に下記の各種値を見ていただければ分かるように、「ハイハットとタムは同じパラメーターの値」、 そして「シンバルだけThresholdが-12.5に変更しただけ」という設定になっています。
これは「Thresholdの値 = コンプレッサーが動作する音量(コンプレッサーの動作の開始地点)」が 各トラックの音量によって変わってくるという理由からで、この「Thresholdの値はリダクション値が最大でも-3.0dB前後になるように調整」しましょう。
このリダクション値の目安も「ナチュラルなコンプレッサーの基準」となります。
「コンプレッサーの使い方が良く分からない」
「各種パラメーターの役割は理解できるものの、適切な値が分からないので 基準値が欲しい」
という方はぜひ実践してみて下さい。
【コンプレッサーの各パラメーターについての解説】
【ハイハット】
◉Attack (アタック): 25.5
◉Release: 55.5
◉Threshold: 15.5 (Thesholdのみトラックごとに変更)
◉Ratio: 2.00
【タム】
◉Attack (アタック): 25.5
◉Release: 55.5
◉Threshold: 15.5 (Thesholdのみトラックごとに変更)
◉Ratio: 2.00
【シンバル】
◉Attack (アタック): 25.5
◉Release: 55.5
◉Threshold: 12.5 (Thesholdのみトラックごとに変更)
◉Ratio: 2.00
いかがでしたでしょうか?
近年のドラム音源はとてもハイクオリティーで収録されている音色が多く、目の前で叩いているのかと思うほどの再現力を持っていますが、それをそのまま「素の状態」で使用することが必ずしも楽曲に対して適切とは限りません。
そこでコンプレッサーを用いて少し抑揚を抑えることで、キック・スネア・ハイハットなど各音色同士を馴染ませることができ、 楽曲全体で聴いた時もドラムだけ浮いてしまうことなく、しっかりと馴染むようになります。
今回のブログを参考にしていただき、ぜひ皆さんの楽曲制作にも活用していただければと思います。
次回の第12回では「各楽器ごとのコンプレッサーの掛け方」にスポットを当てる流れを継承しつつ、ドラム以外でのコンプレッサーの活用テクニックを解説していきたいと思いますのでお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
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KONTAKTフォーマット用サードパーティー製ソフト音源の活用方法シリーズ
まとめ
①コンプレッサーを適切にかけることで「生々しすぎる状態の音を楽曲に馴染むように整える」という感覚を意識しよう!
②コンプレッサーをかけるコツは実際に抑揚があるのではなく、抑揚があるように聴こえるようにすること!
お気に入りのアーティストの楽曲のドラムキットをじっくりと聴き込んでみよう!
③何事も基準値を知ることがレベルアップへの第一歩!
コンプレッサーの設定の基準値を活用しよう!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : コンプレッサー (RCompressor) : ON / OFF (ドラムトキット全体)
DRUMS_COMP_ON
DRUMS_COMP_OFF
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : コンプレッサー (RCompressor) : ON / OFF (ハイハット / タム / シンバルのみ)
HIHAT_TOM_CYMBAL_ON
HIHAT_TOM_CYMBAL_OFF
画像解説
①HIHAT
②TOM
③CYMBAL
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