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【使い方】コンプレッサーとは?親切・丁寧に徹底的に解説!
2022/9/4
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科・エレキギター科・アコースティックギター科・作詞科講師の塔本圭祐です。
DTMをやっていて、難しいなぁと感じることはたくさんありますが、始めたばかりの頃、特に難しく感じたのがコンプレッサーです。
音の変化が分かりにくく、とっつきづらい。。
今回は私のような犠牲者(?)を出さないようにコンプレッサーについて、 しっかりお伝えしていきたいと思います!
是非、最後まで読んでみてください!
目次
①ダイナミックレンジについて
コンプレッサーの話をする前に まず「ダイナミックレンジ」について理解しておく必要があります。
これは簡単にいうと、音の大きい部分と小さい部分の差のことです。
上記画像をご覧いただくと、大きい部分と小さい部分が存在します。
この差がダイナミックレンジです。
②コンプレッサーの概要
では、コンプレッサーとは一体何かというと、このダイナミックレンジを小さくするためのエフェクターです。
例えば、囁き声から急にガナリ声になるボーカルがあった場合、ガナリに合わせて音量を調整すると、囁きパートではボーカルが小さく聴きづらくなります。
そして、逆もまた然りということで、コンプはこの調整をするために用いられます。
ここまでがコンプレッサーの基本的な概要です。
③各種ツマミについて:Logic標準搭載コンプの6つのツマミで解説
なんとなく概要までは理解できても、それぞれのツマミの効果が分かりくいコンプレッサー。
ここからは各ツマミの役割について書いていきます。
メインのツマミは、 THRESHOLD, RATIO, ATTACK, RELEASE, KNEE, MAKEUP GAINの6つです。
順番に説明していきます。
3.1 THRESHOLD(スレッショルド)
スレッショルドは、「いつ」コンプレッサーが働き出すかを指定するためのツマミです。
ここがコンプを理解する上で最も大切な基準になる部分です。
入力された信号が「指定された音量(dB)を超えたときにコンプがかかる」ようになります。
画像をご覧いただくと、分かりやすいと思います。
点線がスレッショルド、この点線を超えている部分に対してコンプがかかり、音量が下がります。
一方、超えていない部分にはコンプはかからず、音量は下がりません。
3.2 RATIO(レシオ)
スレショルドは大きいところの音量を下げて、ダイナミックレンジを狭めるツマミでした。
次のレシオは、入力された信号にコンプを「どれくらいかけたいか」を指定するためのツマミです。
「どれくらい」というと抽象的なので、画像で説明します。
まずは画像について説明をします。
入力された信号は-16dB、画像でいうところの黒い棒に該当します。
そして、右上のツマミ、および細い横線をご覧いただくと、 スレッショルドは-20dBに設定されていることが分かります。
さらに、右上にあるもう一つのツマミであるレシオは4:1に設定されています。
入力された信号(-16dB)とスレッショルドで指定した数値(-20dB)の差は4dBです。
レシオは4:1なので、4dBが1dBになります。
結果、処理された後の信号(青い棒)は、−19dBになります。
スレッショルドで指定した数値を超えた部分に「どれくらい」かけるか。
これがレシオの役割です。
ボーカルにかける場合などにあまりこのレシオを強くしすぎると、 ダイナミックレンジが極端に損なわれて、歌の躍動感がなくなってしまうので気をつけましょう。
もちろん、打楽器にかける際も要注意です。
3.3 ATTACK(アタック)
スレッショルドで指定した数値を超えた信号に対して、「どれくらいのスピードでかかり始めるか」を指定するツマミがアタックです。
FASTなアタックほど速く効き、SLOWなアタックほどゆっくり効きます。
そりゃそうだって話ですが、このFASTかSLOWかは一体何が大切なのか。
それは「トランジェント」です。
トランジェントについてもご説明します。
スネアを叩いたときの「パン!」という音で例えると、 「パ」がトランジェント、「ン」が余韻です。
FASTな設定のアタックで、この「パ」までコンプで小さくしてしまうと、余韻と同じ音量で揃えられ、なんとも生きた感じのしない音になってしまいます。
意図的にそういうサウンドを目指す場合以外は、ドラムなどの打楽器やPLUCK系シンセの場合、FASTにしすぎないように気をつけましょう。
コンプレッサーは、「こうしておけば大丈夫!」「プリセットを使えば良い!」というものではないので、 自分の耳で聴きながらベストな設定を見つけていくのが良いと思います。
3.4 RELEASE(リリース)
アタックが「どれくらいでかかり始めるか」であったのに対して、 リリースは、入力した信号がスレッショルドで指定した数字を下回ったときに 「どれくらいで戻り始めるか」を指定するツマミです。
アタックとリリース、これらはスピードの話と言えます。
FASTな設定であれば速く戻り、SLOWだとゆっくり戻ります。
SLOWにするとどんなことが起きるのか、サンプルを用意しました。
Basic Rock Fill Dry
Basic Rock Fill Wet
SLOWなリリースの設定になっているコンプをかけると、「いかにも!」って音になりますね。
好みは分かれる音なのかなと個人的には思いますが、あのドラムの音はこうして出来ているのだと知っておくと、何かと応用が効いて良いと思います!
3.5 MAKEUP GAIN(メイクアップゲイン)
一度ここまでの話をまとめます。
入力された信号に対してコンプレッサーが
「いつかかるか」→ Threshold
「どれくらいの量でかかるか」→ Ratio
「どれくらいの速さでかかるか」→ Attack
「どれくらいの速さで戻るか」→ Release
これらの効果によって、入力された信号の音量が下がります。
このことをGain Reduction(ゲインリダクション)と言い、 GRと略されます。
そして、この下がった分の音量を補うためのツマミをMAKEUP GAIN(メイクアップゲイン)と言います。
その目的はあくまで失われた音量を返してもらうことなので、音を大きくするためのツマミではないです。
なので、効果を確認する際は、コンプレッサーをON/OFFして元の音量と差がない状態にすることが大切です。
3.6 KNEE(ニー)
このツマミは次回でもいいと思うのですが、 Logicの標準搭載プラグインには付いているので、一応ご説明します。
このツマミは、コンプのかかり具合を調整するためのツマミです。
指定した数値が大きいと激しく、小さいと柔らかくコンプがかかります。
④機種ごとの違いについて
ここまででコンプレッサーが何をしているのか分かったと思います。
しかし、コンプがややこしく感じる原因はその効果の分かりづらさだけではなく、その種類の多さも混乱を招く要因の一つだと思います。
ということで次は、Logicに標準で搭載されているコンプレッサーを例に機種による違いを説明します。
まず、Logicには合計7個のコンプレッサーがあります。
さらにその7個は4つの種類に分けられます。
VCA、FET、OPTO、そしてLogicのオリジナルモデルです。
最初にオリジナルのコンプからご説明します。
4.1 PLATINUM DIGITAL
このコンプは味付けがないです。
後述しますが、コンプには本来の仕事に加えて味付けが存在します。
このコンプの個人的な使い方としては、サイドチェインに利用することが多いです。
こちらは後日ご紹介します。
4.2 VCA
では、ここからはVCAについてのお話しです。
Logicには3つのVCAコンプがあります。
一般的にBusやマスターに使われることが多いそうですが、このコンプに限らず、狙いがあるのであれば、別に何にどれを挿しても良いと思っています。
そこで、あくまで個人的な使い方についてそれぞれご説明します。まずは赤いやつ。
私は、キックやベースに使います。
理由は、低域が前に出るように思うからです。
エレキギターに挿す場合は、低域に迫力を持たせたい時に良い働きをすると思います。
クリスロードアルジという著名なエンジニアもギターのトラックに挿すそうですが、恐らく低域に迫力を持たせるためなのかなぁと個人的には考えています。 次は、黒いやつ。
アタックとリリースが付いていないです。
「コンプよく分かんない!」と考えていた時によく使っていました。
最近は使わなくなりましたが、 前述のRELEASEについてご説明した際に使ったドラム音源に挿したコンプはこちらです。
最後に白いやつ。
これはもっぱらBusに使ってGlue効果を狙います。
Glue効果とは、簡単にいうと一体感を持たせたり、迫力を出したりする効果のことです。
4.3 FET
次はFET、私のフェイバリットです。
アタックとリリースの反応が速く、音の味付けもかっこいいです。
Logicにある2つのFETコンプについてお話ししていきます。 まずは黒い方。
万能で何に挿しても個人的には良いと思っていますが、ドラムのようなトランジェントがある音に向いていると思います。
理由は、その反応速度によってトランジェントを強調することができるからです。
ATTACKを遅く、RELEASEを速く設定すると、トランジェントが強調されて聴こえます。
どういう理屈かは、前述の項目をご覧ください。
逆にアタックを潰して音が引っ込めることで、前後の間隔を作ることもできます。 そして白い方。
特徴的には、黒い方とほぼ同一人物ですが、黒い方と信号に対する反応の仕方が異なります。
また味付けのテイストも違います。
4.4 OPTO
そして最後にOPTOについてです。
速いアタックの設定にできないので、ドラム等には向いていないですが、 その分、ボーカルにかけると自然なかかり方をします。
その理屈でいうとベースにも合うんじゃないかと思っています。
⑤味付けについて
ここまでにちょくちょく出てきた味付けとは、簡単にいうと歪みのことです。
難しく言うと倍音と言います。
加わる歪みのタイプが異なることを違う味付けと表現していますが、
似たものもあれど、それぞれ歪み方が異なります。
この味付けによって、どの機種を選ぶかを考えることが多いのかなと思っています。
テストオシレーターに極端な設定のコンプをかけると、簡単に機種ごとの歪みを確認できます。
メーターで確認してみるもの面白いかもしれません。
今回はコンプレッサーについて解説しました。あなたしか知らないかっこいいコンプの使い方を見つけたら、こっそり教えてくださいね!
皆さんが作った良い音楽を聴けることを楽しみにしています!
下記に本日のまとめと実践ガイド書き記してあります。
ぜひご自身の音楽生活に役立ててください!
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てくださいね。
それではまた!
塔本圭祐講師の執筆ブログ記事ページ
![](https://www.mush-music-school.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/STUDIOVCA-640x427.jpg)
まとめ
①入力された信号に対してコンプレッサーが
「いつかかるか」→Threshold
「どれくらいの量でかかるか」→Ratio
「どれくらいの速さでかかるか」→Attack
「どれくらいの速さで戻るか」→Release
②コンプの種類はおおまかに VCA, FET, OPTOに分類されます。
それぞれ得意なことがありますが、「絶対にこれにはこれ!」と決まったものを挿すわけではありません。
③コンプには本来の仕事に加えて、音に対して味付けが加わります(加わらないものもあります)
実践ガイド(コンプを使うべきではないタイミングについて)
極端なダイナミックレンジを修正する場合、 コンプで直すより、オートメーションを使うほうが良いです。
例えば、「ボーカルの歌詞が一文字だけどうしても耳につく」というケース。
この場合はオートメーションを使う方が自然な仕上がりになります。
その一文字のためにコンプをかけすぎてしまい、 もともとあった良い感じのトーンが失われ、全体的に引っ込んで聴こえてしまったらショックですよね。
オートメーションで制御することは悪でも邪道でもないので、 安心してください。
色々な考え方がありますが、 ダイナミックレンジの調整はオートメーションで行うもので、
コンプの役割は味付けである、という考えもあります。
この作業には時間がかかりますが、仕上がった音源を聴くと、手間をかけた価値を感じられることが多いでしょう。
ただ、「こういう使い方をするものなのだ!」と凝り固まってほしくもありません。
歪みとして使ってもいいですし、アタックにオートメーションをかけて遊んでみるのも全然良いと思います。
今回のお話はあくまで基本についてなので、「完全ガイド」のような大袈裟なものでは決してありません。
あなたしか知らないかっこいいコンプの使い方を見つけたら、 こっそり教えてくださいね!
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