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マッシュミュージックスクール ピアノ科講師の相原一智です。

本日は、ピアニストにとって永遠の課題「和声感をどのように磨くか」についてお話しします。


 

 

 

 

 

 

①ピアノでの和声表現の大切さ

和声は魔力的です。
和声感が良いと、伴奏も上手にできるし、自分でソロ曲を演奏していてもしっくりくる感覚が得やすくなるのが不思議です。

そして何よりも、ピアノが一番他の楽器と比べて(オーケストラや、合奏は除きます)有利で強いのが、「両手で和声を、すぐに楽につかんで、弾ける」こと。
そして、その和声の表現方法のバリエーションが極めて豊富であること。

何せ「右手メロディー・左手伴奏」
ところによってはその左右を逆転させたり、和声だけ、メロディーだけ弾く、なんて演じ変えも自由自在だからです。
音域も広いですし、分散和音や装飾音など音をさらに足したり減らしたり、、
こだわるともうキリがありません。
逆にその演じ変え、の判断が難しいところでもあります(笑)


でもコツがあります。
特に曲を弾き始めてすぐの時は、楽譜通りなんて弾けません。
うまくごまかしながら、それでも全体をざっと弾けるようにしたい。
そんな時に和声を押さえていると、単純化・アレンジがすぐに出来ます。


これはとても大切な力です。
初見演奏でも大事ですし、伴奏合わせでも必須。
和声さえある程度分かれば、表現の方向が大体は見えてしまうのです。

だからこそ、ピアノを弾くものにとって和声を上手に表現できるようにするノウハウを知ることは、あらゆる曲を演奏する上で一番大切なことの1つです。

・今どの音を強く弾けばいいのか。
・次はどの音を出すと全体のバランスがうまくいくのか。
・どの音が、弾かなくて良いのか。
・どこでちょっと待つと良いのか。
・どこでテンポを速めると流れがスムーズになるのか。

必ずパターンがあります。
それらを頭で判断するより早く、指先の感覚に至るまで無意識化できることが、曲のマスターへの近道です。
別の言い方で言えば、暗譜の近道
型・フォームのマスターでもあります。





 

 

 

 

 

 

 

 

②2つの実践方法

実践方法についてお話しします。

やり方その1 バッハのコラール集を初見演奏でトレーニングする。

 

ヨハン・ゼバスティアン・バッハの4声コラール集

これはインヴェンションを弾けるような人には是非お勧めします。
ものの1分の長さに、非常に優れた和声進行・展開が詰まっています。



平均律や、インヴェンション、パルティータなども、バッハの音楽にはほとんど常に四声体コラール (要するに、2声など少ないパートの曲でも、和声・合唱のイメージがベースに常にある)が流れていると言って差し支えないほどです。
楽譜に書かれた音だけが全てでは無く、必要とあれば音を変えても良い、即興的な変奏が許された・むしろ期待されていたのはその
「背後に流れる和声を感じ取る力」があればこそ、です。


↑の内容、よくよく思い返してみてください。
ポップスだって、(バッハより後のクラシックの)ショパン始めロマン派の作曲家だって、基本は同じですよ。

ただし、クラシックの場合は即興的な自由が必要なくなるくらいにまで
「作曲家が踏み込んで、最終バージョンとなる譜面を残した」
ことが多い、という違いがありますが。。
このやり方その1、はとても力がつきますが、問題があります。
バッハだけでは近代和声やジャズ・ポップスなど幅広いコード進行・種類をカバーしきれません。

そこで!

 

 

 

やり方その2 今弾いている曲のコードネームを書き出し、それを単純化して弾くエクササイズを行う

 

特に20世紀以降の作品を弾いている時にお勧めします。
自分で今弾いている曲のコードネームを書き出す、もしくは書いてある楽譜を用意します。
そして、単純化した形で弾いてみる。
何パターンか配置を試せるはずです。 (※コードネームでは無く、クラシック音楽でよく使われる和声記号、でも全く構いません。)

もちろん全ての和声を書き出す必要はありません。
でも自分の中で
「ここは特に気になる」
「ここがどうしても覚えられない、ミスしやすい」
というところはコードを見た方がいいでしょう。

作曲家の特色溢れる和声表現がそこに出ていることが非常によくあるからです。
表現の極上のヒントがつかめることがよくあります。

参考までですが、海外ではジャズ含めて素晴らしい解説をしている動画チャンネルがありました(英語)。 https://www.youtube.com/channel/UCqimxUbWsE26KSpx2_OcmmA



コード(和声記号)を書き出すと、楽譜上の音をよりシンプルな形で捉えられ、弾くことが出来ます。
クラシックにしろ、ポップスにしろ、「楽譜通り」弾かなければならないことに縛られるより、
このように上手に弾きやすくアレンジしながら「うまく乗り切る」術をマスターした方が、本番のことを考えると精神衛生上良いです。
緊張の中、手が動きづらくても、単純化したアレンジの方を選べば良いだけです!
クラシックだって、「この音符は変えられない」というところと、「ここは流動的に変えられるな」というところの見極めができるところが沢山あるのです。
後は、それに応じた良い指使いを決めて行くと、自然に手順がそろいます。
















いかがでしたでしょうか?
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ぜひご自身の音楽生活に役立ててください!

 

 

 

 

まとめ

①曲の上手な演じ変えには、和声表現のコツのパターンを身に付けることが必須

②バッハのコラールの初見演奏トレーニングで力をつけていく。
また、自分の弾く曲の中で気になったコードを書き出し、そこを取り出して単純化して弾いてみるエクササイズを行うと良い


 

実践ガイド

クラシックではコードで見ることをあまり良しとしない流れがありますが、作曲家志望でもない限り、和音記号について体系的に近代和声までカバーしている人は少ないです。
例えばラヴェルやスクリャービン、ドビュッシーなど20世紀の作曲家の和声などはコードネームで捉えていった方がはるかに時間を節約出来ます。

思いの外簡単に基本は押さえられますので、クラシックしか弾かない人でも、コードネームは一通り読めるようにしておくことをお勧めします。

こんな動画があります。

スクリャービンの後期作品「焔に向かって」をコードネームを使って解説しているものです。
何調だか判断しづらい近現代の曲でも、譜面さえあればコードネームはつけられる(何パターンか可能性がある場合もあります)ので、素晴らしい和声の勉強になります。

調がはっきり分からなくても、コードネームは分かるんですね(笑)
それを押さえて演奏すると、必ず個々の表現に何か違った踏み込みが得られ、タッチが変わります。
演じ変えの自信が生まれることでしょう。

ソロ曲を暗譜する時でも、
合わせ曲を伴奏する時でも、
「捨てられない音」「捨てられる音」基準が分かるから、今出来る表現の自由が広がり、弾くことへの余裕が広がります。

 



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