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マッシュミュージックスクール DTM科トラックメイク科講師の坂本竜太です。

今回のブログから「ミックスダウンにおける各種プラグインの実践テクニック」を数回に渡り解説していきたいと思います。
現代では高精度なAI機能付きのプラグインが多く販売されていますが、結局のところ最後は自分の感覚を鍛えないことにはご自身の求めるサウンド ~ ミックスには辿り着かないのではないかと思います。

第5回目となる今回は「ディレイで楽曲全体にグルーヴ感と立体感を与える① : シングルディレイの実践テクニック」として、筆者が普段の音楽制作において実践しているディレイプラグインを使ったミックステクニックを解説していきたいと思います。

 

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動画解説

 

筆者が当スクールのブログ内で紹介している様々なテクニックを活用して、実際にどのような楽曲を制作しているのかの一例として、下記のYouTubeチャンネルもご覧いただければと思います。

講師制作楽曲 : 【CHROMA : YouTube】

 

 

 

 

 

 

①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう

まずはデモ楽曲を聴いてみましょう。

 

デモ楽曲


今回はこちらのデモ楽曲を使用しての「ディレイで楽曲全体にグルーヴ感と立体感を与える① : シングルディレイの実践テクニック」の解説となります。

5回目となる今回は第1~4回目までのブログで掴んだ「リバーブのミックステクニックによる立体的な音像処理」に続く内容となっており、同じ空間系プラグインでも「ディレイを実際にどのように適用していけば良いのか?」について詳しく解説していきたいと思います。
今回は多種多様な種類があるディレイの中でも「シングルディレイ(モノラルディレイ)」についての解説となります。

 

 

 

 

 

 

②ディレイのON / OFFでの聴き比べ : ディレイで楽曲全体にグルーヴ感と立体感を与える


今回のデモ楽曲では

①Logic Pro付属の「Echo (シングルディレイ)」


②Logic Pro付属の「Stereo Delay」



計2種類の2種類のディレイを使用しています。
どちらもとてもシンプルなディレイとなっており、Logic Pro以外のDAWでも同様の効果を得ることが可能になっています。
ではディレイON / OFFで聴き比べてみましょう。

DELAY_ON


DELAY_OFF


いかがでしたでしょうか?
ディレイがONの時は楽曲全体にグルーヴ感や躍動感があり、音像も立体的に聴こえるのに対し、 ディレイがOFFの時はグルーヴ感が弱く、音像もスピーカーに張り付くようなミックスに聴こえるかと思います。

このようにシンプルなシングルディレイとステレオディレイを適材適所に取り入れるだけでミックス全体のクオリティーを格段にアップさせることが可能になってきます。
それでは実際にどのようなセッティングをすれば良いのか?を具体的に見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③Echo(シングルディレイ) : ミックスでの実践的な活用テクニック (今回はギターパートで使用)

今回使用している「Echo(シングルディレイ)」ですが、デモ楽曲の中ではLRに振り切っているギタートラックに適用しています。
ここでの「Echo(シングルディレイ)」の役割は「既にあるリズム = ギターのフレーズ(リフ)に第2の新たなリズムを与える」という役割になっています。
この考え方は、今回のデモ楽曲で使用されているカッティング系のギターでは特に効果的であり、ワンランク上のミックスには欠かせないテクニックのひとつとなっています。

では実際にEcho(シングルディレイ)を適用しているギターパートをON / OFFで聴き比べてみましょう。


【Echo(シングルディレイ) : ON /OFF 聴き比べ】 : ギタートラックのみ

ON


OFF


このように、「2本のギターのリズム(リフ)に対して4つのリズムが鳴っているような効果」を与えることで、 楽曲のグルーヴ感をより際立たせることができ、さらにリバーブで得られる残響とはまた異なった浮遊感~立体感を得ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④Echo(シングルディレイ) : パラメーターの具体的なセッティングと考え方

では次に、LRに振り切っているギタートラックに適用されている「Echo(シングルディレイ)のパラメーターを見ていきましょう。

今回のパラメーターで一番着目していただきたいポイントは「ディレイタイム」になります。
Lサイドのギターには「1/8 dotted = 付点8分音符のディレイ」、Rサイドのギターには「1/4 dotted = 付点4分音符のディレイ」がそれぞれ適用されています。
この「dotted = 付点のディレイ」が「既にあるリズムに第2の新たなリズムを与える」際にとても重要になってきます。

例えば、常に8分音符で刻んでいるギターに対して8分音符のディレイを適用しても、実音=実際にギターを弾いた音とディレイ音がぴったり重なってしまうのでディレイをかけている意味がなくなってしまいます。

そこで「dotted = 付点 = 音符にプラス0.5の長さ」という、ある意味「意図的なズレ」を ディレイで作り出すことにより、「既にあるリズムに第2の新たなリズムを与える」ことができるので、 楽曲全体によりグルーヴ感や躍動感が加わり、音像も立体的に聴こえるミックスに仕上げていくことができます。
「付点8分音符の場合 : 8分音符 + 16分音符」
「付点4分音符の場合 : 4分音符 + 8分音符」

では実際に、LサイドのギターとRサイドのギターを「付点あり/なし」のセッティングで聴き比べてみましょう。

【Echo(シングルディレイ) : ディレイタイムの聴き比べ】 : ギタートラック (付点あり/なし)

◉Lサイドのギター (付点8分音符のディレイ)


◉Lサイドのギター (8分音符のディレイ)


Rサイドのギター (付点4分音符のディレイ)


◉Rサイドのギター (4分音符のディレイ)


このように、「dotted = 付点のディレイ」という考え方をしっかりと活用することで、楽曲全体のグルーヴ感~躍動感のアップはもちろん、ミックスにおいても立体的かつより音楽的なワンランク上のサウンドに仕上げることが可能になってきますので、皆さんもぜひ実践してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
今回解説しました「シングルディレイ」はとてもシンプルながらも、「dotted = 付点」という考え方を加えることで楽曲全体のグルーヴ感~立体感をグッとアップさせてくれるプラグインとなっています。
ギターのカッティング奏法が既にグルーヴ感のあるフレーズではあるのですが、その状態にもうひと手間かけることで、 楽曲全体のクオリティー・ミックスのクオリティーも格段にアップさせることができます。
ご自身の楽曲のミックスで「何か物足りない…」と感じた時には、派手でエフェクティブなプラグインに頼る前に、 至ってシンプルなシングルディレイのようなプラグインをじっくりとエディットしてみましょう。
今回のブログを参考にしていただき、ぜひ皆さんの楽曲のミックスでも実践していただければと思います。

次回の第6回では「ステレオディレイ」にスポットを当てて、「ワンランク上のミックスのための様々な場面でのディレイテクニック」を解説していきたいと思いますのでお楽しみに!

下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ

【フルレングスバージョンの試聴 : Audiostock】

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まとめ

①多種多様なディレイがある中でもまずは基本となる「シングルディレイ」と「ステレオディレイ」の効果的な活用方法を覚えよう!

②ディレイは「いかに第2のリズムを作り出すか?」がキモ!
この考え方をマスターして楽曲全体にさらなるグルーヴを与えよう!

③「dotted = 付点」をしっかりと理解することで、何となくディレイをかけるステップから脱却しワンランク上のミックスに仕上げよう!

 

実践ガイド

今回の流れをオーディオデータと画像で解説

デモ楽曲

 

DELAY_ON


DELAY_OFF


【Echo(シングルディレイ) : ON /OFF 聴き比べ】 : ギタートラックのみ

ON


OFF


【Echo(シングルディレイ) : ディレイタイムの聴き比べ】 : ギタートラック (付点あり/なし)

◉Lサイドのギター (付点8分音符のディレイ)


◉Lサイドのギター (8分音符のディレイ)


Rサイドのギター (付点4分音符のディレイ)


◉Rサイドのギター (4分音符のディレイ)

 

画像解説
①ECHO




②STEREO_DELAY




③ECHO_LR



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