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Follow @mushmusicschoolポップス~ロックにおけるストリングスセクションの取り入れ方 (後編 : ストリングスの打ち込み方のコツとアーティキュレーション(奏法)の使い分け)
2020/10/23
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回はTwitterから寄せられたご質問にお答えするブログ記事です。
頂いたご質問↓
「ストリングス系、ブラス系、木管系(最終的にオーケストラ)の打ち込みやミックスをする時のコツなど知りたいです。」
本日はこちらのご質問からストリングス系に焦点を当てて、
「ポップス~ロックにおけるストリングスセクションの取り入れ方」の後編、
「ストリングスの打ち込み方のコツとアーティキュレーション(奏法)の使い分け」について解説していきたいと思います。
前編のブログで「アーティキュレーション(奏法)」の概要に関して少し触れていますが、今回はそれらをより詳しく理解することで即戦力として皆さんの楽曲の中で実践しやすい内容となっています。
各アーティキュレーションに関してもポップス~ロックのアンサンブルの中でグッと活きてくる 汎用性の高いセッティングが中心となっていますので難しく考えずに挑戦してみましょう。
ストリングス音源は前編と同じく「Native Instruments」の「SESION STRINGS PRO」を使用しています。
それでは詳しく見ていきましょう。
動画解説
目次
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
ますはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
では続けてこの楽曲の中からストリングスパートのみを①アーティキュレーションあり / ②アーティキュレーションなし、でそれぞれ聴いてみましょう。
今回のブログのキモとなる部分です。
①アーティキュレーションあり
②アーティキュレーションなし
いかがでしたでしょうか?
このパートは①第一バイオリン、②第二バイオリン、③チェロという編成になっていますが、 どちらもアーティキュレーションのあり/なし以外は全て同じMIDIの打ち込みとなっています。
このように適材適所にしっかりとアーティキュレーションを加えることでストリングスの表情がグッと豊かになってきます。
では実際にアーティキュレーションを設定していきましょう。
②アーティキュレーションを割り当てる
SESSION STRINGS PROを開き、画面下の「Main」、「Keyswitch」、「FX」の中から「Keyswitch」の タブをクリックしてウィンドウを開きます。
画面中央のLegato (C1) / Portamento (D1)などアーティキュレーション名のところをクリックすると、プルダウンで各種アーティキュレーションが選択できるようになります。↓
今回のセッティングは画面左側に●Legato (C1) / ●Portamento (D1) / ●Glissando (E1)などのレガート系(音を滑らかに繋ぐ奏法)のアーティキュレーションを設定し、
画面右側に●Spiccato (F1) / ●Accent (G1) / ●Spicc.Up (A1)などのアクセント系のアーティキュレーションを設定しています。
③ピアノロール内でアーティキュレーションを有効にする / 切り替える
SESSION STRINGS PROに限らず、各種ストリングス音源でアーティキュレーションを有効にし、 各アーティキュションの切り替えるにはキースイッチ(今回はC1~A1)で行います。
では第一バイオリンを参考に見ていきましょう。
まだストリングス音源の扱いに慣れていない方もいらしゃるかと思いますので、しっかりと解説しておきますが、
「アーティキュレーション = キースイッチを有効にする」ということは「各アーティキュレーションで指定されたノート (例 : LegaroであればC1)の場所に実際にMIDIで情報を打ち込んでいく」ということになります。↓
※備考 : キースイッチに割り当てている場所(C1 ~ A1)にノートを打ち込んでも実際に音が鳴るわけではありません。
キースイッチは「ノートを打ち込む = 切り替えの情報を打ち込む」ものとして機能しています。
上の写真では
最初の駆け上がりフレーズのアタマの音だけ“Spicc. Up”のアーティキュレーションを適用したい。
↓
実際に鳴っている音のノートと並行してSpicc. Upのキースイッチ = A1を打ち込む
を行なっています。
そして、
次の音は“Legato”のアーティキュレーションを適用したいのでLegatoのキースイッチ = C1を打ち込む
を行なっています。
また今回はピアノロール画面を開いた時に視覚的に分かりやすいように、キースイッチのパートは全てベロシティー127で打ち込んでいます。
こうすることでキースイッチの部分は赤色で表示されますので視覚的にも見やすくなります。
●Spicc. Up (スピッカート + アップ) : 弓の弾力で弦の上を軽く弾ませるようにして弾く奏法 + アップ
●Legato (レガート) : 2つの音を途切れさせずに滑らかに続けて演奏する奏法
④キースイッチの切り替えを有効にする際のMIDIの打ち込みの注意点
ここで各種キースイッチを有効にしたい時のMIDIの打ち込み方の注意点を見ていきましょう。
上の写真ではキースイッチがLegato(レガート)からPortamento(ポルタメント)に変わるところを示しています。
このような場合、「レガートの次のポルタメントを有効にするには前のノートに少し重なるようにノートを打ち込む」ようにして下さい。↓
この部分のノートが重なっていない状態ですと、ポルタメントのキースイッチが機能しません。
この現象はレガート系の奏法で多く見られる傾向がありますので、Legato(レガート)からPortamento(ポルタメント) Glissando(グリッサンド)などを使用する場合は注意して下さい。
また、「Accent」などの立ち上がりが早いアーティキュレーションを適用する場合、そのノートだけ音が大きくなる傾向がありますので、その際はベロシティーで調整しましょう。↓
いかがでしたでしょうか?
「アーティキュレーション~キースイッチ」と聞くといきなり難しくなったように感じますが、今回のブログを参考にしていただければどなたでもすぐに実践で活かせるのではないかと思います。
このようにアーティキュレーション~キースイッチを適材適所にしっかりと入れることでストリングスの表情がグッと豊かになってきます。
現在、ストリングス音源は非常に多くの種類がリリースされていますが、比較的所有率が高いと思われるSESSION STRINGS PROでストリングス音源の使い方を学び、皆さんの楽曲にもどんどん取り入れてみて下さい。
次回は10/1にリリースされる「Native Instruments : KOMPLETE 13シリーズ」に合わせて、 「買ったもののほとんど眠ってしまっている方も多いであろうKOMPLETE音源~プラグインのフル活用術!」をご紹介していきたいと思いますのでこちらもお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。
坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ
まとめ
①キースイッチの設定ではまず汎用性の高いアーティキュレーションを選びその効果を実感しよう!
②キースイッチの切り替えはピアノロール内で実際にMIDI情報を打ち込むことで有効になることを覚えよう!
③レガート系の奏法では前後のMIDIノートが重なっていないとアーティキュレーションが反映されないので注意しよう!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
アーティキュレーションON
アーティキュレーションOFF
画像解説
①ストリングス音源_アーティキュレーション
②アーティキュレーションの選択
③ピアノロール内でキースイッチを有効にする
④ストリングス音源_アーティキュレーション
⑤ピアノロール内の詳細解説_#1
⑥ピアノロール内の詳細解説_#2
⑦MIDIの打ち込みの注意点
⑧MIDIノートを重ねる
⑨アクセント_ベロシティー
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