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Follow @mushmusicschool現役クリエイター直伝!DTMミックス・マスタリングシリーズ「第2回 : リバーブ系テクニック!リバーブのパラメーターの設定のコツ・ポイント」
2021/11/5
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回のブログから「ミックスダウンにおける各種プラグインの実践テクニック」を数回に渡り解説していきたいと思います。
現代では高精度なAI機能付きのプラグインが多く販売されていますが、結局のところ最後は自分の感覚を鍛えないことにはご自身の求めるサウンド ~ ミックスには辿り着かないのではないかと思います。
第2回目となる今回は「リバーブのパラメーターの設定のコツ・ポイント」として、筆者が普段の音楽制作において実践しているリバーブ系プラグインを使ったミックステクニックを解説していきたいと思います。
プロミュージシャン制作環境シリーズ
第1回目:ハードウェア編 #1 (使用機材リスト)
第2回目:ハードウェア編 #2 (なぜその機材を選んだのか? / 機材選びについて / その使い心地)
第3回目:ソフトウェア編 #1 (主なソフト音源~プラグインリスト)
第4回目:ソフトウェア編 #2 (なぜそのソフト音源を選んだのか? / ソフト音源選びについて / その使い心地)
フリー音源シリーズ
Spitfire Audioのフリー音源ライブラリー「LABS」をフル活用しよう!(前編 : LABSの概要とインストール方法の解説)
Spitfire Audioのフリー音源ライブラリー「LABS」をフル活用しよう!(後編 : LABSの音源の解説とサウンドレイヤーのコツ)
KONTAKTフォーマットに最適化されたサードパーティー製のソフト音源の活用方法シリーズ
Native Accessに対応していないサードパーティー製音源のセッティング方法
第1回 : Auddict : Celestial Voices Calypso(前編:音源の管理・サウンドメイキング)
第1回 : Auddict : Celestial Voices Calypso(後編:MIDIの打ち込みのコツ~キースイッチの使い分け)
第2回 : Impact Soundworks:VOCALISA – Slavic Women’s Choir(前編 : 概要とサウンドメイキング)
第2回:Impact Soundworks:VOCALISA – Slavic Women’s Choir(後編 : MIDIの打ち込みのコツ~キースイッチの使い分け)
第3回 : Impact Soundworks:Spitfire Audio – Spitfire Solo Violin(前編 : 概要とサウンドメイキング)
第3回 : Impact Soundworks:Spitfire Audio – Spitfire Solo Violin(後編 : MIDI打ち込みのコツ~キースイッチが不要とは?)
第4回:Spitfire Audio - ALBION V TUNDRA -オーケストラ音源(前編 : 概要とサウンドメイキング)
第4回:Spitfire Audio - ALBION V TUNDRA -オーケストラ音源(後編 : MIDIの打ち込みとサウンドのレイヤーのコツ)
第5回:Audiomodern – Opacity -シネマティック・ギター音源(前編 : 概要 ~ サウンドメイキング)
第5回:Audiomodern – Opacity -シネマティック・ギター音源(後編 : Opacityの実践的な活用方法~ストリングス音源とのレイヤーetc)
KOMPLETE ULTIMATEシリーズを使い倒したブログ記事・動画
第1回:ドラムトラック編 (STUDIO DRUMMER)
第2回 : Guitar Rigの活用 : 基礎編 (ギタートラック : イントロ & ベーストラック)
第3回 : Guitar Rigの活用 : 応用編 (ギタートラック)
第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法
第5回 : ACTION STRIKEの使い方~活用方法
第6回 : THE GRANDEUR(ピアノ音源)の使い方~実践的なプラグインの活用方法
第7回 : BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -(ブラス音源)の使い方 ~ 実践的なプラグインの活用方法
第8回 (最終回) : RISE & HITの実践的な活用方法
動画解説
【今回の音源を使用した講師制作の参考楽曲 : YouTube】
また、筆者が当スクールのブログ内で紹介している様々なテクニックを活用して、実際にどのような楽曲を制作しているのかの一例として、下記のYouTubeチャンネルをご覧いただければと思います。
目次
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
まずはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
今回はこちらのデモ楽曲を使用しての「リバーブ系テクニック ~ リバーブのパラメーターの設定のコツ・ポイント」の解説となりますが、今回のブログで解説するテクニックは前回ブログ(第1回)から少し踏み込んだ内容となっており、 リバーブの中でもキモとなってくる重要なパラメーターやしっかり扱えるべきポイント、実際のミックスで活きるエディットなどを解説していきたいと思います。
②各パラメーター設定のコツ・ポイント #1 : 基本的な考え方 (WAVES : RVerb)
では今回のデモ楽曲で使用されているシネマティックなパーカッションパートをリバーブON/OFFで聴いてみましょう。
REVERB_ON
REVERB_OFF
尚、このパーカッションパートは「Native Instruments : DAMAGE」を使用していますので、 下記の関連ブログもぜひご活用下さい。
【Native Instruments : KOMPLETE 12 ULITIMATEを使い倒そう! 第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法】
2.1【WAVES : RVerb】 : 各種パラメーターの設定
今回は「WAVES : RVerb」を使用しての解説となります。 「WAVES : RVerb」の概要に関しましては前回のブログ、「第1回 : リバーブ系テクニック ~ 様々な場面での対応法」をご覧下さい。
また、今回はパーカッションパートでの解説となっていますが、以下で解説していくテクニックはギターやシンセなど他のあらゆるパートでも有効なテクニックとなっていますので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
ではまず、「WAVES : RVerb」の各種パラメーターの全体像を見てみましょう。
◉Reverb Type : Hall 1
①PreDelay : 原音からどれだけ遅れてリバーブが鳴るか調整 (デモ楽曲では0.0)
②Time : リバーブの長さを調整 (今回のデモ楽曲では1.25)
③Size : リバーブの部屋のサイズ感を調整 (今回のデモ楽曲では38.5)
④Diffusion : 音の広がりを調整 (今回のデモ楽曲では0.0)
⑤Decay : 「Reverb Type」が「Gated」の時のみ有効。エフェクティブな効果が得られる (今回のデモ楽曲ではLinear)
⑥Early Ref : 初期反射音と原音成分の残響を調整 (今回のデモ楽曲では0.0)
⑦Reverb : リバーブ成分の量を調整 (今回のデモ楽曲では0.0)
⑧Wet / Dry : 残響音と原音の音量差を調整 (今回のデモ楽曲では32.5)
2.2【WAVES : RVerb】 : 重要なパラメーターの設定
次にここから基本かつ変化の分かりやすい大切なパラメーターを見ていきましょう。
まず、初めにエディットしていきたいパラメーターは◉Reverb Type : Hall 1、⑧Wet / Dry、⑦Reverbの3点になります。
◉Reverb Type : Hall 1 (リバーブの大まかな響きを決める)
まず、リバーブをかける前に「このトラックにはどのようなリバーブをかけたいか?」を明確にすることが大切です。
日々レッスンを行っていても、「良く分からないから何となく闇雲にリバーブをかけてみた」という方も多く、結果的に狙ったリバーブ感を得られずミックスが飽和してしまう…といった状態になりがちです。
今回のデモ楽曲では「楽曲全体のスケール感が大きい」ので、それに合わせて「Hall 1」を選択しています。
このように「ご自身でイメージしている大まかなリバーブ感をしっかり捉えて」、「それがHall的な広い響きか、Room的なタイトな響きかを選択する」ようにしましょう。
⑧Wet / Dry : 残響音と原音の音量差を調整
次に「Wet / Dry」ですが、こちらは「Wet = リバーブの成分量 / Dry = 原音の成分量」となっており、仮に「Dry側に振り切るとリバーブはゼロ、Wet側に振り切ると原音成分がゼロ」ということになります。
ここでのエディットのコツとしては「Dry側に振り切った状態から少しずつWet側の成分を増やしていく」という点です。
この時、「既にドラムやギターなどの他のパートが鳴っているのであれば、それらを鳴らしながらWet側の成分を増やしていく」 というところもポイントです。
いわゆる「馴染む質感を狙う」という考え方です。
リバーブは闇雲にかけてしまうと音(= 各楽器)の隙間が不用意にどんどん埋まってしまい、 結果的に残響が飽和したヌケの悪いミックスになってしまいます。
この現象を防ぎバランスの取れたミックスにするためにも、「Dry側に振り切った状態から少しずつWet側の成分を増やしていく」 ようにし、そのトラックの音が他のトラックと程よく馴染んだあたりで止めるようにしましょう。
ここでの「馴染むとは = そのトラックだけ他のトラックと比較しても浮いて聴こえず、スピーカーに張り付くようになっていない状態」と考えていただいて良いでしょう。
⑦Reverb : リバーブ成分の量を調整
次に「Reverb」ですが、こちらは今回のデモ楽曲と同様に「0.0dB」に固定した状態で良いと思います。
ここでの考え方は「リバーブ成分は0.0dB = 最大値で固定しておいて、そのリバーブの成分と原音のミックスバランスを先述の「Wet / Dry」で調整していく」という流れになります。
このように「固定の状態でも良いパラメーターはあえてエディットしないという考え方や手法は、より素早く的確に理想の結果を得ることができる」ので、今回のリバーブの解説のように「主要なパラメーターをしっかりと把握し、そこをじっくりとエディットしていく方法がオススメ」です。
③各パラメーター設定のコツ・ポイント #2 : #1で作ったリバーブ感の細部をエディットする (WAVES : RVerb)
次に前章でエディットした状態からさらに細部までエディットしていきましょう。
ここでエディットしていきたいパラメーターは②Time、③Sizeの2点になります。
②Time : リバーブの長さを調整
先述の「Reverb Type」では「楽曲全体のスケール感に合わせて「Hall 1」を選択し、 「Wet / Dry」では「Wet = リバーブの成分量 / Dry = 原音の成分量」を決めましたが、 次は「Time = リバーブの長さ」をエディットしていきましょう。
Timeの値を決める際のコツとしては、「フレーズ同士がお互いに干渉し過ぎない値に設定すること」です。
今回のデモ楽曲のパーカッションを例に挙げてみると、手数の多い細かいフレーズを叩いているのでこの「Time」が長すぎると「フレーズ同士でリバーブの成分が干渉し過ぎてしまい、“フレーズの切れ目が繋がって聴こえてしまう”」ため、 せっかく手数の多い細かいフレーズを叩いているのに、楽曲全体で聴くと何を叩いているのかが分からなくなってしまいます。
この辺りの「さじ加減」も「Wet / Dry」の時と同様にまずは一番短いタイムに振り切っておいて、「既にドラムやギターなどの他のパートが鳴っているのであれば、それらを鳴らしながらTimeの長さを長くしていく」ようにするというところがポイントです。
③Size : リバーブの部屋のサイズ感を調整
「Size」では「リバーブの部屋のサイズ感」調整していきます。
今回は「Hall 1」を選択しているので、「いわゆるホールの響き」ではあるのですが、「そのホールが小さなホールなのか、東京ドームのようなホールなのかを決めていきます」。
ここは先述の「Time」と密接な関わりがあり、「Time」で決めた値が適切であっても「Size」の値が大きすぎるとやはり「フレーズ同士でリバーブの成分が干渉し過ぎてしまい、“フレーズの切れ目が繋がって聴こえてしまう”」ので、 ここも「1番小さい値に振り切った状態から少しずつサイズの成分を増やしていく」という流れが良いでしょう。
④あえてエディットしないパラメーターを設定する (WAVES : RVerb)
今回はパーカッションパートに「乾いたテイストのホール系リバーブ感を与えたかった」ので上記のようにエディットを行ってきましたが、その中でも①PreDelay / ④Diffusion / ⑤Decay / ⑥Early Refのパラメーターは、「よりエフェクティブなリバーブ感を求める場合に活用するもの」と考えていただいて良いので、基本的には下記の設定をデフォルトとして固定し、使用しないパラメーターとして考えていただいて問題はないかと思います。
筆者も普段の楽曲制作では上記の設定のままで実質的には不使用です。
①PreDelay : 原音からどれだけ遅れてリバーブが鳴るか調整 (デモ楽曲では0.0)
④Diffusion : 音の広がりを調整 (今回のデモ楽曲では0.0)
⑤Decay : 「Reverb Type」が「Gated」の時のみ有効。エフェクティブな効果が得られる (今回のデモ楽曲ではLinear)
⑥Early Ref : 初期反射音と原音成分の残響を調整 (今回のデモ楽曲では0.0)
このように各種プラグインには様々なパラメーターが存在していますが、その中でも今回のリバーブのように 「特に重要かつミックスの結果にすぐ直結するパラメーターに絞ってエディットを進めていく」という考え方や手法は膨大な情報と機能に溢れたDTMの世界ではとても有効なポイントだと筆者は思います。
「何もかも全て把握しなければいけない訳ではなく、ご自身が狙っている“結果 = 効果”によりスピーディーかつ的確にアプローチできるか否か?」という点もミックス~プラグインの考え方には大切なポイントになってきます。
いかがでしたでしょうか?
リバーブは「詳しい設定は分からないが闇雲にかけてみても何となくリッチな響きになる」ので、深く掘り下げてエディットされていなかった方も多いのではないでしょうか?
ですが、今回のブログで「ここだけはしっかりと押さえておこうというパラメーターを把握~理解する」ことで、ご自身の狙ったリバーブ感を得ることができ、楽曲がしっかりとバランスの取れたワンランク上のミックスになるのではないかと思います。
今回のブログを参考にしていただき、ぜひ皆さんの楽曲でも実践していただければと思います。
次回は「リバーブの空間にコントラストをつけるために使用するリバーブの解説 ~ ミックステクニック」スポットを当てて 「楽曲を立体感のあるミックスに仕上げるためのリバーブテクニック」を解説していきたいと思いますのでお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
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質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。
坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ
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まとめ
①数あるパラメーターの中から「基本的かつ変化の明確なパラメーターを把握~理解しエディットしていこう!
②各パラメーターの相関性を頭の中でイメージすることがリバーブテクニックのレベルアップのキモ!
闇雲なインサートから脱却しよう!
③全てのパラメーターを把握~使用する必要はなし!
あえてエディットしないパラメーターがあっても良いことを理解しよう!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
REVERB_ON
REVERB_OFF
画像解説
①RVERB_MAIN
②RVERB_EQ
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