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Follow @mushmusicschool現役クリエイター直伝!DTMミックス・マスタリングシリーズ「第9回:コンプレッサーを使いこなしてまとまりのあるミックスに仕上げる③ :トランジェントシェイパーの使い方とその効果」
2022/2/24
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回のブログから「ミックスダウンにおける各種プラグインの実践テクニック」を数回に渡り解説していきたいと思います。
現代では高精度なAI機能付きのプラグインが多く販売されていますが、結局のところ最後は自分の感覚を鍛えないことにはご自身の求めるサウンド ~ ミックスには辿り着かないのではないかと思います。
第9回目となる今回は「コンプレッサーを使いこなしてまとまりのあるミックスに仕上げる ③ : トランジェントシェイパーの使い方とその効果」として、筆者が普段の音楽制作において実践しているコンプレッサーを使ったミックステクニックを解説していきたいと思います。
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動画解説
筆者が当スクールのブログ内で紹介している様々なテクニックを活用して、実際にどのような楽曲を制作しているのかの一例として、下記のYouTubeチャンネルもご覧いただければと思います。
目次
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
まずはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
今回はこちらのデモ楽曲を使用しての「コンプレッサーを使いこなしてまとまりのあるミックスに仕上げる ③ : トランジェントシェイパーの使い方とその効果」の解説となります。
9回目となる今回は前回までのブログ(第7回~8回)からの流れとして、コンプレッサーで得られる効果と併行して取り入れるととても効果的な「トランジェントシェイパー」を実際にどのように導入していけば良いのか?について詳しく解説していきたいと思います。
この「トランジェント」とは何か?ということですが、「ミックスにおける奥行き~遠近感をコントロールするテクニック」と理解していただければと思います。
具体的には「奥に埋れてしまっている音に前に張り出すような効果」を与えたり、また逆に「前に出過ぎてしまっている(音像的にスピーカーに張り付くような感じになってしまっている音)を奥に引き下げるような効果」を与えたりというテクニックになります。
それでは詳しく見ていきましょう。
②トランジェントシェイパーのON / OFFでの聴き比べ : 埋れがちな音に前に張り出すような効果を与える
今回のデモ楽曲で使用しているトランジェントシェイパーは「WAVES : Smack Attack」になります。
トラックの中では「①ベース」と「②シンセ」の計2トラックにこの「Smack Attack」を使用しています。
プラグインのON/OFFで聴き比べてみましょう。
【ベース&シンセ : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF
SMACK_ATTACK_ON
SMACK_ATTACK_OFF
いかがでしたでしょうか?
「Smack Attack」がONの時はパキッとした前に張り出すような音像ですが、OFFの時(オリジナルの音)の時はやや奥に埋れてしまっているような音像に感じられるかと思います。
では次に「①ベース」と「②シンセ」に加えて、「③ドラム」と「④ボーカル」を加えて、またON/OFFで聴き比べてみましょう。
【ベース&シンセ+ドラム&ボーカル : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF
SMACK_ATTACK_ON
SMACK_ATTACK_OFF
「Smack Attack」のように「トランジェント = 奥行き~遠近感」をコントロールするプラグインを使用する場合は、「複数のトラックを同時に鳴らして楽曲全体としてのまとまり感(ミックス)を意識しながらエディットする」ことが大切です。
そうすることで「Smack Attack」を適用したトラックを単体で聴くと良い感じだったものがミックス全体で聴くとイマイチ効果が薄かったり、また逆に強くかけ過ぎてしまっていたりということを回避することができます。
よりミックス全体を意識した音作りができるようになれば「プラグインを適用する度合いを実感しながらミックスを進めていくことができる」ようになってきます。
イメージとしては、
①木を見て(1トラックのみで聴く)
②林を見て(複数のトラックで聴く)
③森を見る(ミックス全体で聴く)
という感覚を常に持つことがミックスのレベルアップのポイントと言えるでしょう。
③トランジェントシェイパーの各パラメーターの概要とエディット
では「Smack Attack」の各パラメーターについて見ていきましょう。
今回はベーストラックに使用している「Smack Attack」での解説となります。
◉Attack (アタック): 20
音のアタック感 = 音像の張り出し感の調整。
数値が大きくなるほど音像の張り出しが強くなる。
◉Sensitivity: 25.5
「Attack」で音が前に出てきた際、「Sensitivity」で「どこまでのレベルをアタック強調の対象とするのか」を決めていきます。
この辺りの考え方は前回までのブログ(第7回~8回)で解説している「スレッショルド」のレベル調整と似た構造になっています。
「Sensitivity」の値が大き過ぎるとゴーストノートのような細かいアクセント音まで強調されてしまい、のっぺりとした印象のフレーズ感になってしまうので、値を下げてベースのピッキングのアタック音が強調されるようにエディット。
◉トランジェント・シェイプ: ネイル
ここでは「Attack」で設定した値をどのような形状で強調するかを調整。
左から「ニードル」「ネイル」「ブラント」の3種類に分かれており、今回はベースのアタック感、音の太さのバランスを考えて中間の「ネイル」を選択。
左の「ニードル」を選択すると音のシャープさは増しますが音の太さがやや失われます。
◉Duration: 8.00
「Duration」では「アタックを強調する時間を調整」。
この値が大き過ぎると「Sensitivity」と同様に全体のレベルが上がってしまい、のっぺりとした印象のフレーズ感になってしまうので、注意が必要です。
◉Guard: OFF
「Guard」はリミッターのような効果を得られるものですが、デフォルトの「OFF」のままでOKです。
では最後にもう一度、ベースの音の張り出し具合を意識しつつ、楽曲全体で「Smack Attack」をON/OFFで聴いてみましょう。
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF
SMACK_ATTACK_ON
SMACK_ATTACK_OFF
いかがでしたでしょうか?
「トランジェントシェイパー : Smack Attack」は「コンプレッサー」と比べてその効果がより明確に分かりやすいので、初めて導入される方でも扱いやすいプラグインのひとつと言えるかと思います。
また、前回のブログ(第7~8回)で解説いたしました「コンプレッサー」の各種パラメーターの構成や関係性とも似ている部分があるため、今回のブログを含めた計3回のブログを参考にしていただき、この機会にじっくりと「コンプレッサー ~ トランジェントシェイパー」のエディットに取り組んで、楽曲全体のクオリティーはもちろん、ミックスのクオリティーも格段にアップさせてみましょう。
次回の第10回では「コンプレッサー」をさらに深掘りして、「各楽器ごとのコンプレッサーの掛け方」にスポットを当てて、「ワンランク上のミックスのための様々な場面での活用テクニック」を解説していきたいと思いますのでお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
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まとめ
①「トランジェント = 奥行き~遠近感」を理解することで「音像の前後」のコントロールをしっかりと理解しよう!
②「トランジェントシェイパー」は「複数のトラックを同時に鳴らして効果を確認する」のがポイント!
常にミックス全体を意識するようにしよう!
③「コンプレッサー」のパラメーターとも類似点が多い「トランジェントシェイパー」をミックスに取り入れることで、同じカテゴリーにある「コンプレッサー」の理解を深めるきっかけにしてみよう!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
【ベース&シンセ : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF
SMACK_ATTACK_ON
SMACK_ATTACK_OFF
【ベース&シンセ+ドラム&ボーカル : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF
SMACK_ATTACK_ON
SMACK_ATTACK_OFF
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : トランジェントシェイパー (Smack Attack) : ON / OFF
SMACK_ATTACK_ON
SMACK_ATTACK_OFF
画像解説
①SMACK_ATTACK
②SMACK_ATTACK_BASS
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