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マッシュミュージックスクール ピアノ科講師の相原一智です。

本日からは、ピアニストから見た「難易度」について4つのテクニック視点から踏み込んだ形でお話しします。
便利に難易度を測れますし、得意苦手も分かりやすいので、レパートリーを選びながらバランス良く上達していくことが出来ます。


 

 

 

 

 

 

①テクニックの種類

ピアノの難易度(初級〜上級、あるいは5段階、10段階などでよく言われている)は上達の度合いと、今挑戦できる曲かどうかを表す目安になっていると思います。
しかしこれだけではあまり違いがよく分かりません。

ピアノのテクニックは幅広く、得意不得意もありますし、表現によっても変わります。
「難易度」だけでは言い表せない、テクニックをバランス良く上達させて行くことも、自分の弾きたい曲のレベルに到達するには大切です。

よく、「表現面」はテクニックとは切り離して色んな人達がお話ししているのを耳にします。
でも、良い表現は良いテクニックなしには存在しません。

ただそれが、例えば、パワフルかつダイナミックな名人芸的なテクニックなのか、神経を研ぎすませる繊細なコントロールの方向のテクニックなのかと言う違いです。

スポーツの世界だって、テクニックと一言で言ってもそれは様々でしょう。
例えばサッカーなら、ボールを奪い取る技術、ボールをキープ・コントロールする技術、ボールの芯をとらえるシュート技術・・・
詳しくは知りませんが、ものすごく奥が深い世界のはずです。

素人目にも分かりやすいテクニック、逆に見えづらいテクニック、があります。

スポーツと芸術・楽器の世界は必ずしも一緒に話せませんが、上達のためには良いテクニックをバランス良く身に付ける必要がある、という意味では同じです。
特に、力を無駄に使わないための「良いフォーム・型」の習得は最も大切なことの1つでしょう。
それにはデリケートなバランス感覚を必要とします。

というのも、一人一人の体格・個性によって感覚が全く違ってくるからです。
それに合わせた選曲の上手さもあります。
テクニックに応じた、体の中の大小様々な筋肉の動かし方、呼吸法、体重の活かし方の工夫も、大いに関わってきます。

それらが上手くいくと、自分で「明らかに上達した」実感が必ず味わえます。
そのためには、ある程度種類を区切ってテクニックを見た方が今の弱点長所をつかみやすいのです。

これは上級者だけの話ではありません。
初心者初級者の頃から、何となく、意識されることが望ましい話です。
言葉で言うとどうしても硬くなっちゃうんですけどね・・・
「コツをつかめると、目の前にあった壁が消えて、今までよりずっとピアノが楽しくなる」
と言い変えてもいいと思います。

実際に弾いてみて、
「あ!そうか、こうすれば良いんだ!」
と感覚でつかめるのが1番大切です。

今回はどんなコツをつかめたのか。
そして次の課題・壁は何か。
ちゃんとレベルアップの過程が見えるのです。
(そのために練習日誌をつけることをお勧めしてます)
その俯瞰的な理解を助けるのが次にお話しする4つのテクニック視点です。





 

 

 

 

 

 

 

 

②「4つのテクニック視点」でレベルアップ

目安となる、特に磨くべきテクニックにおいて大切な事を以下の4つに絞りました。

 

 

 

 

2.1 ヴィルトゥオーゾ(名人芸的な)のテクニック


一番、素人目にも分かりやすい「テクニック」です。
手の大きさや体力・運動神経にも左右されます。
また、良いフォームととても大きな関わりがあります。
フォームの習得は上達の命と呼べるほど大切です。
癖を引きずると、その部分でのテクニックの上達が止まります。

このテクニックが1番身に付きやすいのが、繰り返し繰り返しさらうことが多い短い曲、エチュード(練習曲)です。
そしてそのエチュードは、先生が細かくフォームをチェックできることが理想的です。
繰り返しさらうと、癖もつきやすいので。

 

 

 

 

 

2.2 ポリフォニーのテクニック


異なるパートを聴き分け、弾き分けることのできる力。
特にバッハの作品では不可欠です。
しかし、難しい割りに素人目には地味なので、軽視されることが少なくありません。

特に本番でポリフォニーは生きます。
真に奥行きある、ピアノの響きを引き出すためには不可欠なプロならではのテクニック、とも呼べるでしょう。
伴奏や他の楽器との合わせにも非常に大切です。
他のパートを「聴きながら」バランスを取って自分のパートを弾くテクニックでもありますので。

 

 

 

 

 

2.3 構成力〜形式面でのテクニック


曲を聴き手に面白く表現できるメリハリ、のテクニックです。
本番で緊張の中演奏しながら、これを意識できる人は少ないです。
だからこそ、練習の中で入念に構成面を作っておく必要があります。
主観的に思いっきり没入して弾きながらも、客観的な視点を失わない、と小さな失敗に動じなくなります。

 

 

 

 

 

2.4 カンタービレのテクニック


旋律を美しく歌わせられるテクニック。
それはメロディーラインだけの話ではなく、(左手が受け持つことの多い)伴奏も含まれます。
そしてまた、メロディーと伴奏とのバランスもそうです。
ピアノの世界に限っても、私たちは20世紀前半までの演奏録音に学び取るものがとても多いと思います。
想像を超えるほど多種多様なアゴーギクが用いられていました。
作曲家たちの自作自演を聞いてもそれはわかるものです。

 



これら4つのテクニック視点をレベルアップにどう目安として役立たせるのかについては、具体的な曲を取り上げて次回以降にお話しします。
4つのテクニックをそれぞれ、レベルを4つに分けて多くの曲で取り上げます。
かなり「難易度」がスッキリ見えてくるはずです。
一言で難易度と言っても、1つ1つのテクニックによってその感覚が全然違うことが分かるととても面白くなりますよ。
















いかがでしたでしょうか?
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ぜひご自身の音楽生活に役立ててください!

 

 

 

 

まとめ

①テクニックの種類ごとに、バランス良く上達できるようコツをつかむ

②4つのテクニック視点〜ヴィルトゥオーゾ、ポリフォニー、構成力、カンタービレ〜に分けてみると「難易度」がスッキリ見えてくる


 

実践ガイド

①次回以降で、具体的に、様々なエチュードを例に取り上げたいと思います。
「音階の練習」や「指慣らし」もエチュードと言えます。
どのように行えば、今の自分自身にとって1番効率が良い練習になるでしょうか?

②バッハの声部分けを、正しく教えられる先生は本当に少ないです。
彼の300曲を超えるコラールの大切さを知っていらっしゃれば安心ですが。

当然ながら、バッハだけではなくベートーベンやロマン派の作曲家たちも非常にポリフォニーを重視しました。
彼らの有名曲には必ずと言って良いほどポリフォニーの弾き分けが要求されます。
クラシック以外でも、ポリフォニーはすごく重要ですよ。

③普段の練習では曲の1部分を区切りながら細かくさらってゆくことが多いですよね。
その際の区切りが、形式面での区切りに合わせたものだとスムーズに練習しやすいです。

5分以上の曲を弾くときは、特にソナタ形式について知っておく事が非常に重要なことです。
特に、転調における曲想の変化をよく捉えられること、演じ分けられること。 どの和声がキーだな、と分かります。

④YouTubeでも「現代のピアニスト・その他の音楽家」と「歴史的な音楽家」との演奏録音を比較している動画があります。

自分勝手に練習して身につくものではありません。
「本当に良いもの」を知って、美しいルバートを含めたカンタービレをぜひとも習得しましょう。

 



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