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マッシュミュージックスクール ボーカル科作詞科作曲・編曲科講師の藤本涼子です。

低音発声が苦手な方は、頭のバランスが崩れていることが多く見受けられます。
低音が出しにくいと、
☑低音域の音程が取りづらい
☑パワフルな歌い回しができない
☑ミックスボイスが出にくい
などの問題が出てきます。

そこで、今回のブログでは低音開発について特に発声のフォームの視点からお話ししたいと思います。
「低音が出しづらいな」と感じている方は、これからお伝えする内容がご自身で当てはまるところがないか、どうぞ確認してみて下さいね。




 

 

 

 

 

①低音が出しにくい原因:低音が苦手な人の多くは、喉頭 (のど仏)を下げた状態で発声をしている

低音を無理やり出そうとする方の多くに、顎を引き過ぎて喉頭(のど仏)を圧迫させた状態で発声していることがあります。

 

 

 

 

 

 

1.1 顎を引くことで起こる問題点

 

問題①
喉頭(のど仏)を押し下げた状態になる→喉の前面を圧迫させ喉頭の自由な動きができない。

自由自在な歌唱には、喉頭はいつでも自由に動けることが必要です。
喉頭が動けるスペースを確保するために頭のバランスを保つことが重要です。

 

問題②
猫背になり巻き肩になりやすく、胸が窮屈になる→肋骨の開きが制限される →呼吸が浅くなる。

呼吸は声の源となります。 呼吸器官である肺を広げたり縮めたりするのは、横隔膜と骨盤底筋、そして肋骨の開閉(肋間筋)です。
肋骨の前面を窮屈にさせてしまうと、低音だけではなく、全体の発声に悪影響です。

 

 

 

 

 

 

1.2 頭では理解しているけど身についていない

 


”姿勢を良くする”ことが大事だと頭では分かっている方がほとんどです。
でも、理解していることと、実際にできているかは別問題。

普段の身体の姿勢や使い方の癖は歌に直結します。
例えば、野球やゴルフ、テニスなどのスポーツなら、バットの持ち方やスイングの癖を何度も軌道修正しながら意識しなくても出来るようにフォームに意識しながら体得していくようなイメージです。
歌唱時にも何度もリマインドしながら、身体の使い方を変えていくことが大切です。

 

1. 低音が出しにくい原因のまとめ:
低音が苦手な人の多くは、喉頭(のど仏)を下げた状態で発声しているため、顎を引き過ぎないようにして体全体の姿勢に注意しましょう。
歌に集中していくとだんだんと身体の使い方がおざなりになることが多々あります。
常にリマインドしてご自身の現状を認識しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②低音を出しやすくする対策:頭の位置やタング(ポジションを正しい位置にする

 

頸椎から尾骨まで背骨(脊柱)はひと続き。
特に、歌唱時は頭のバランスは最重要です。
頭のバランスが変わると、姿勢全体に影響を及ぼします。

 

 

 

 

 

 

2.1 歌う時の理想的な姿勢

 

そもそも、「歌唱時の良い姿勢とは?」と疑問の方もいらっしゃると思います。
そこで、下の図をまずはご覧ください。
引用:『歌手なら誰でも知っておきたい「からだ」のこと』メリッサ・マルデ、メリージーン•ア レン、来ると=アレクサンダー・ツェラー 春秋社

①背骨のカーブを意識して前後左右の重心のバランスを意識する
図のように、頭と頚椎の接地点(AO関節)ー肩先(上腕骨頭)ー腰椎ー股関節ー膝関節ー足関節が、横から見て一直線で繋がるように意識をしてみましょう。

その姿勢のバランスを保ったまま、さらに

②肋骨を軽く膨らませキープして身体の支えを作る
肋骨を開くと、水平方向に広がっていき肋骨全体が軽く上に引き上がっていきます。 そして、お腹周りは楽にしておきましょう。(この時に肩先は上がらない。)
肩〜腕は肋骨の上にぶら下がっているため、別々の動きが可能です。
もし、呼吸時に肩が大きく上下するような場合は、肩周りが力んでいます。

呼吸や発声の上半身の支えは、軽く肋骨を膨らませて引き上げてお腹周りは自由に動ける状態が理想的です。

初めは、肩はリラックスしたまま肋骨の開きを保ちながら、お腹を凹ませたり(= 吐く)、お腹を膨らませて(=吸う)みましょう。
肋骨の支えを保ちながら同時に腹式呼吸ができるようにします。

吐く際に、肋骨の開きが無くならないようキープする時、肩や首に力が入ってしまう人は、腕を軽くブラブラ動かしたり体を揺らしながら行なってみて下さい。

このようにして肋骨の開きを保つことによって、発声時の身体の支えが生まれます。

発声時の身体の支えは、低音のパワフルさ、安定感を得るために必須の身体の使い方です。その姿勢を保ちながら、顎を引き過ぎないように目線は正面で喉元を楽な状態にして低音発声を行ないましょう。

 

 

 

 

 

 

2.2 舌根(舌の付け根)のポジションに注意する

 


頭のバランスが崩れた状態で、無理に低音を発声するとき、同時に舌が力んでしまっている場合が多いです。

☑️母音の『あ』『い』『え』の発音時の舌の理想的な位置は、舌尖(=舌先)が下の前歯の裏側に軽く付くような位置です。

☑️母音の『う』『お』の発音時の舌の理想的な位置は、舌尖(=舌先)が下の前歯の裏側に軽く付くか付かないかという位置です。

舌が力んだ状態の発声は、喉奥の方に大きく引き下がっており、舌先が口の真ん中あたりまで下がり過ぎています。

特にロングトーンは母音です。
または、『Mmm』というハミングでロングトーンを歌う場合も、舌の理想的な位置は同じく”前”です。
決して舌根が後ろに大きく引き下がった状態ではありません。

舌根が喉元の方へ大きく引き下がった状態で歌うと、喉周りがとても緊張して歌ってすぐに疲れてしまう状況になります。
しかも、「頭のバランスが悪い」&「舌根が引き下がっている状態」で歌うと、ダブルパンチで喉周りを締め付けた状態で歌うため、 低音はもちろんのこと発声全体に悪影響です。

母音やロングトーンの発音時の舌の位置に十分に意識を向けてエクササイズや歌詞を歌ってみて下さい。
鏡を見ながら常にご自身の舌の位置を確認しながら発声することがオススメです。

2. 低音を出しやすくする対策のまとめ:
姿勢が悪く、特に頭のバランスが崩れた状態では、舌根(舌の付け根)が喉奥に大きく引き下がっているケースが多発。
背骨(脊柱)の自然なカーブを保つ意識を持ち前後左右の重心のバランスの良い姿勢を保ちながら、特に頭のバランスに気をつけましょう。
そして、舌のポジションを母音やハミングから調整して舌根や喉周りが力まないようにして発声することが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③低音開発のメリット:安定感のある低音が楽に出せるよ うになることで、ミックスボイスが出せるようになる

まずは、苦手な低音が楽に出せるようになることが大切。
そうすると、低音で音量が楽に出るようになります。
また、同時に低音域の音域も広がっていきます。

そして、低音が楽に出せるようになってくると低音以外の発声にも好影響です。
ミックスボイスとは、歌唱に必要な音域全体で使うボーカルレジスター(声区)ですが、 ミックスボイスが楽に出せる大前提が、チェストボイス(低音域)とヘッドボイス (高音域)がどちらも充分に発声できていることです。

「ミックスボイスを出したい」と思っても、低音が楽に出せない状態ではミックスボイスのコントロール力は養われません。
なぜなら、チェストボイスとヘッドボイスのボーカルレジスターのバランス感覚をコントロールすることによってミックスボイスは生まれるからです。
特に、チェストボイスとヘッドボイスのブリッジポイント(喚声点)で弱々しい声になってしまわないようにするためには、低音域から十分にパワフルな音色で歌えることが必要です。

3. 低音開発のメリットまとめ:
低音が苦手な方はすぐにヘッドボイスに切り替わらないようにするために、低音を楽に出せるようになり、低音を強化することが必要です。
逆に、低音から高音にかけて声を張り上げてしまってヘッドボイスに楽に移行ができない方はヘッドボイスのトレーニングが必要な状態です。
以前投稿した「高音の出し方」の記事をご参考ください。

 

 

 

 

 



いかがでしたでしょうか?
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
一人で行き詰まったときにお手伝いが必要な場合は、ボイストレーナーとしてそしてシンガーとしての知識・スキル・経験をフル活用してお役に立てるように全力でサポートします。
お気軽に体験レッスンのお申し込みもお待ちしています♪

 

 

 

 

まとめ

①低音が苦手な人の多くは、喉頭(のど仏)を下げた状態で発声しているため、顎を引き過ぎないようにして体全体の姿勢に注意しましょう。

②姿勢が悪く、特に頭のバランスが崩れた状態では、舌根(舌の付け根)が喉奥に大きく引き下がっているケースが多発。
背骨(脊柱)の自然なカーブを保つ意識を持ち前後左右の重心のバランスの良い姿勢を保ちながら、特に頭のバランスに気をつけましょう。

③そして、舌のポジションを母音やハミングから調整して舌根や喉周りが力まないようにして発声することが重要です。

④低音が安定して楽に出せるようになることで、ミックスボイスの発声にも繋がり広い音域で自由自在に歌えるようになります。


実践ガイド:自分の取り組み方が正しいかをチェックする方法3選

ヘッドボイスのトレーニングの際に注意すること
①よくある呼吸法の間違いチェック法
”胸式呼吸は歌う時には使ったらダメだ”
”胸式呼吸は肩が上がったり下がったりする”

と思っていませんか?
または、そう教えられた方もいらっしゃるかもしれません。

普段、私たちはリラックスしている時、腹式呼吸7〜8割、胸式呼吸2〜3割で呼吸を行なっています。
なので、胸式呼吸は絶対悪ではありません。
それよりも、呼吸時に肩が上がったり下がったりすることがいけません。
呼吸時に肩が上がったり下がったりするのは、肩に力が入っているからです。
なぜなら、肋骨の動きと肩や腕の動きは連動していないからです!
肩から腕は肋骨の上に覆い被さっています。
肩に力が入りやすい方は、吐く息と共に気持ちよくストレッチをして伸びをしてみて下さい。
特に、体側を伸ばすと肋骨の開きが感じられて楽で深い呼吸が得られます。
また、肩こりがある方や首周りを締め付けて歌う癖のある方は、深い呼吸と連動しながら首を優しく回してください。
全てのストレッチは、絶対に呼吸を止めずに行うこと、痛気持ち良いあたりで止めることが重要です。
息を止めて無理に伸ばしてしまうと、筋肉や腱を痛めてしまう可能性があるので十分に注意してくださいね。


②バランスの良い姿勢のチェック法
☑️目線はちょうど前を見ているか
☑️肩先や腰が前に倒れたり後ろに引き過ぎたりしていないか
☑️膝は突っ張り過ぎたり曲がっていないか
☑️両足の裏は、親指と小指の付け根あたりと踵の中央の3点で重心をとっているか
下図を参照にしながら、ご自身の前後左右のバランスを確認してみてくださいね。
もし、胸を張って肩先(上腕骨頭)を後ろに引いてていたら、目線が少し上にズレます。
そうすると、頭が後傾し首の裏側が縮まって、喉元は伸びて突っ張ってしまいます。
または、骨盤が前傾すると、背中が丸まり、膝が曲がってしまい目線は下になります。
そうすると、胸が縮こまってしまいます。


③よくある姿勢の間違いチェック法
”壁に背中をつけて立つ” という姿勢矯正の方法を見聞きしたことがあるかもしれません。
しかし、これは間違いです。
なぜなら、背骨(脊柱)は4カ所でカーブを描いています。
引用:『歌手なら誰でも知っておきたい「からだ」のこと』メリッサ・マルデ、メリージーン•ア レン、来ると=アレクサンダー・ツェラー 春秋社

具体的には、
☑️首(頸椎)は前傾
☑️胸(胸椎)は後傾
☑️腰(腰椎)は前傾
☑️お尻(仙骨から尾骨)は後傾
しています。
もし、壁に背中をつけて立つと、背骨(脊柱)の後ろ半分と背筋を直線にさせることで、本来の背骨(脊柱)の自然なカーブを平らにしてしまいます。

上の2つの図を参照しながら、良い姿勢の認識をアップデートしてご自身のバランスを確認してみて下さい。


最後に:『シンガーは身体が楽器』
筆者はボイストレーナーとして発声について指導する中で、姿勢や身体についての意識が低い生徒さんはボイストレーニングの成果が上がりにくということに気づきました。 そこで、自身で20年以上続けているヨガの資格を取得し、ヨガのインストラクターとして「歌うカラダのためのヨガ」を教えるだけではなく、ボイストレーニングでも解剖生理学やボディマッピングの視点から発声時の姿勢や身体の使い方についての指導も行なっています。
初めは歌う時に身体への意識が大切だと気づいていない生徒さんも、徐々に身体への感覚が高まることによって、確実に成果が出ています。
身体への意識が高まり姿勢や身体の使い方の矯正ができると、発声の向上はもちろんのこと、普段の生活でも呼吸が深くなったり姿勢が良くなったり良いことづくめです。

喉周りだけではなく、体全体の状態に意識を向けて発声をすることを『包括的認識力』といいます。
低音が楽に出せるようになることでミックスボイスの発声にも繋がります。
「シンガーは身体が楽器」です。
『包括的認識力』で身体への感覚を高めながら、低音のトレーニングに取り組んでみて下さいね。
ご自身で取り組んでみてサポートが必要な時には、いつでもお気軽にレッスンにお越しください♪



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