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Follow @mushmusicschool現役クリエイター直伝! DTMミックス・マスタリングシリーズ「第8回:コンプレッサーを使いこなしてまとまりのあるミックスに仕上げる② :コンプレッサーの各パラメーターの基準値の設定とその効果」
2022/2/4
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回のブログから「ミックスダウンにおける各種プラグインの実践テクニック」を数回に渡り解説していきたいと思います。
現代では高精度なAI機能付きのプラグインが多く販売されていますが、結局のところ最後は自分の感覚を鍛えないことにはご自身の求めるサウンド ~ ミックスには辿り着かないのではないかと思います。
第8回目となる今回は「コンプレッサーを使いこなしてまとまりのあるミックスに仕上げる ② : コンプレッサーの各パラメーターの 基準値の設定とその効果」として、筆者が普段の音楽制作において実践しているコンプレッサーを使ったミックステクニックを解説していきたいと思います。
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動画解説
筆者が当スクールのブログ内で紹介している様々なテクニックを活用して、実際にどのような楽曲を制作しているのかの一例として、下記のYouTubeチャンネルもご覧いただければと思います。
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
まずはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
今回はこちらのデモ楽曲を使用しての「コンプレッサーを使いこなしてまとまりのあるミックスに仕上げる ② : コンプレッサーの 各パラメーターの基準値の設定とその効果」の解説となります。
8回目となる今回はミックスにおいて最も基礎的でありながら最も重要とも言える「コンプレッサー」を実際にどのように適用していけば良いのか?ついて詳しく解説していきたいと思います。
この「コンプレッサーの各パラメーター」は「ひとつひとつが独立しているというより、それぞれが密接な相関性を持って作用」 していますので、各パラメーターが他のパラメーターとどのように連動しているのかをしっかりと把握することがポイントに なってきます。
それでは詳しく見ていきましょう。
②コンプレッサーの各パラメーターの概要を理解してその基準値を設定する
参考例としてドラムトラックに適用されている「RCompressor」のパラメーターを見ていきましょう。
プラグイン全てに言えることではあるのですが、とりわけコンプレッサーに関してはディレイやリバーブのような明確な効果が分かりにくいため、
「何を基準とすれば良いのか?」や「各パラメーターの汎用的な基準値はどれくらいの値なのか?」といった部分でつまずいてしまい、
「良く分からないけれど何となくインサートして適当にエディットしてみた」という段階で止まってしまっている方も多いのではないでしょうか?
ですので、今回は参考例として「オリジナルのサウンドを大きく変えてしまうことなく、ナチュラルなコンプレッサー効果を得られる設定」という視点で下記にパラメーターの具体的な数値を記載いたしました。
この基準値は筆者が日々の音楽制作の試行錯誤の中で得たものなので、これ以外はNGという訳ではありませんが、 何を基準に考えたら良いのか分からない…という方にとってはとても有効な設定になるかと思います。
◉Attack (アタック): 25.5ms
音がコンプレッサーに入力されてからコンプレッサーが動作するまでの時間を決める。
もちろん他のパラメーターとの兼ね合いもありますが、アタックタイムが早いほど音が鳴ってからすぐにコンプレッサーが動作する、ということになります。
◉Release (リリース): 55.5ms
コンプレッサーが動作してその効果が効いている時間を決める。
リリースタイムが短いとコンプレッサーの効果が解除される時間が早く、リリースタイムが長いとその逆となります。
そのためリリースタイムが長すぎると抑揚のない音になってしまいます。
◉Threshold (スレッショルド): 任意の値 (リダクション値を見ながら調整) 今回の場合は -14.5dB
コンプレッサーが動作する音量(コンプレッサーの動作の開始地点)を決める。
コンプレッサーは構造上、スレッショルドの値を越えた時にのみ動作します。
※他の全てのパラメーターを設定し終えた後に、リダクション(中央の黄色の部分)の反応を見ながら値を下げていくのがポイント。
◉Ratio (レシオ): 2.00
スレッショルドの値を超えた原音をどれぐらい圧縮するか(圧縮比の設定)を決める。
イメージとしてはレシオの値が低いほど音のヌケがよくなり高くなるとその逆となります。
◉Reduction (リダクション): -2.5dB~-3.0dB前後
コンプレッサーによってどのくらいの音量が圧縮されているかの確認。
視覚的に表示するメーターがあり(中央の黄色の部分)、「基本的にはこのメーターが振れてはすぐに戻る」という動作がいわゆる「ナチュラルにコンプレッサーがかかっている」という状態になります。
※スレッショルドの値を下げていくとメーターが振れ始めてきます。
◉Gain (ゲイン / メイクアップゲイン): ±0.0dB
コンプレッサーによって圧縮され変化した(小さくなった)音質はそのままに音量だけを上げることが出来る。
上記の設定で狙ったコンプレッサーの効果は、「ドラムのダイナミックな抑揚はキープしつつも音が暴れすぎているところを少し抑えて、聴感上でもレベルメーター上でも不要なピークを抑える」というものになっております。
先述いたしました「オリジナルのサウンドを大きく変えてしまうことなく、ナチュラルなコンプレッサー効果を得られる設定」という値になります。
ではコンプレッサーON / OFFで聴き比べてみましょう。
【デモ楽曲 : 聴き比べ】 : コンプレッサー : ON / OFF
コンプレッサー_DRUMS_ON
コンプレッサー_DRUMS_OFF
いかがでしたでしょうか?
微細な変化かもしれませんが、このように「ナチュラルなコンプレッサー」を適用することで、ドラムトラック内だけでもキック・スネア・ハイハットなどの「やや抑揚があり過ぎる音(飛び出している印象のある音)をやや抑える」ことができ、 まとまりのあるミックスに仕上げることができます。
実際に音量面でもコンプレッサー適用前では「ピークが-10.8dB」なのに対し、
コンプレッサー適用後は「ピークが-11.6dB」となっており、
「-0.8dB」抑えられている結果となっています。
③設定した基準値のコンプレッサーを他のトラックでも活用する
今回はドラムトラックを使用して「コンプレッサーの設定の基準値」を解説しましたが、この設定はギター・ベース・シンセなどあらゆるトラックに応用することができます。
このように一度ご自身の中で基準となる値を設定しておくことで、
「基準値の設定で得られる効果よりさらに抑揚を抑えたい」
↓
「リリースを遅くして、スレッショルドの値を深くしてみよう」
という視点や、
「基準値の設定だとサウンドのダイナミックさが抑え込まれ過ぎてしまう」
↓
「もう少しアタックの値を遅くしてみよう」
という視点を持つことができるようになるため様々なシーンで応用することができます。
また、各パラメーターをいじり倒す際にも「基準値でのコンプレッサーの効果を実感しておく」ことで、より各パラメーターへの理解を深めることができます。
いかがでしたでしょうか?
コンプレッサーは効果の地味さゆえについつい後回しにしてしまったり、各パラメーターも良く分からないので何となくエディットしてしまいがちですが、「まず基準値を設定することでその基準値から得られる効果に対してどのようにしたいか?」という明確な視点を持つことができるようになってきます。
コンプレッサーはとても奥が深いプラグインのひとつですので、この機会にじっくりとパラメーターのエディットに取り組んで楽曲全体のクオリティーはもちろん、ミックスのクオリティーも格段にアップさせてみましょう。
今回のブログを参考にしていただき、ぜひ皆さんの楽曲のミックスでも実践していただければと思います。
次回の第9回では「コンプレッサーと同じ感覚でミックスに活用できるトランジェントシェイパー」にスポットを当てて、「ワンランク上のミックスのための様々な場面での活用テクニック」を解説していきたいと思いますのでお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。
坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ
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KONTAKTフォーマット用サードパーティー製ソフト音源の活用方法シリーズ
まとめ
①ナチュラルなコンプレッサー効果」を前提として「各パラメーターの基準値」を設定しよう!
②「パラメーターの基準値」を作ることで「その基準値の設定から得られる音に対してどう変化させたいか?」という視点を持とう!
③この「各パラメーターの基準値」は万能選手!
ドラムトラック以外のあらゆるトラックでも応用可能!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
【RCompressor : ON /OFF 聴き比べ】 : ドラムトラック
ON
OFF
画像解説
①COMPRESSOR_パラメーターの概要
②COMPRESSOR_ON_DRUMS
③COMPRESSOR_OFF_DRUMS
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