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マッシュミュージックスクール エレキギター科アコースティックギター科DTM科講師の村瀬恭久です。

少し理論をかじった、あるいは興味を持った方なら「和声学」という言葉を聞いたことがあると思います。
でも音大にでも行かない限り実際にそれを勉強する人は意外と少なく、ちゃんとやろうとすると数年単位の時間と多大な労力が必要なので、なかなか「ちょっとやってみる」くらいのモチベーションでは手が出ない代物。

そこで今回は「和声学」とは一体どんな事を勉強する学問なのか、果たしてアレンジにどう役立つのか?
その概要をめちゃくちゃ簡単に噛み砕いて紹介したいと思います。

冒頭部に動画解説。
それ以降は文章・音源での解説になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

①和声にはルールがある

「和声学」とは、一言でいうと

和音、つまりコードの配置・組み合わせ・進行などについての学問

です。

「和声学」では、基本的に「これをしたら駄目だ」ということを多く学びます。
これを禁則と呼びます。
「禁則を守りながらコードを進行させると結果的に美しく自然なハーモニーができるよ」という考えに基づいています。

しかしその禁則があまりに細かく厳しすぎて、覚えきれないし、何より実戦で使えるのか役に立つのかも疑問。
音大を受験する以外の、「ちょっとアレンジに役に立てたいな」くらいの人は、ざっくりと概要の部分だけ見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②基本は4声体

和音を構成するパートを声部と言いますが、

①ソプラノ
②アルト
③テノール
④バス

の4声部をいかに進行させるかということが和声学の全てです。

和声学ではコードネームを使わず音符と和音記号を使います。
最初はバスだけが問題を与えられていて、その上にどう和音を積み重ねると良いか?という問題をこなしていきます。

例題
ベース(バス)の動きが ド→レ→ソ→ド の場合上の3声の各パートはどう動くか?

というようなことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③縦の積み

和声学ではまず最初に、どう配置するかを学びます。
鍵盤楽器で下からバス、テノール、アルト、ソプラノと押さえる、という前提で話を進めましょう。

①バス音一個+上の3パート

バスとテノールの間は3度から1オクターブ+5度くらいの間

③テノール、アルト、ソプラノの間隔は開離(オープン・ボイシング)か密集(クローズド・ボイシング)
密集=ドミソド→コード構成音の隣同士の音を隣接させる
開離=ドソミド→コード構成音を一個飛ばしで構成する

3度がバスに来た時3度は重複しちゃダメ 
ミソドミ ☓


重複していい音は一個だけかつ上部3声でコードが成立していないといけない
ドドソソ ☓
ドソソミ ☓
ドミソミ ☓
ドドソミ ○
ドソドミ ○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④横の流れ

それぞれのパートがどう進行するかが横の流れについての規則です。

①連続5度や連続8度はダメ 
2つのパートが連続して5度や8度の関係を作ってはダメ。
2つのパートが同方向に移動した際、到達した時に完全8度または完全5度を形成してもダメ。

全員が同じ方向に動かないほうが良い(連続5度や連続8度が生まれやすいため)

連結するコードに共通音がある場合はそのパートは動かない。
他の音も不必要に跳躍しない。


開離と密集をキープする。
開離で始めたら開離、密集で始めたら密集を続ける。


⑤セカンダリードミナントの変異音は同じパートに置く。

⑥しかし、ただおとなしく連結するだけじゃダメ、その中で工夫して動かす。

 

 

理由:
連続5度8度について、その禁じている理由について考えてみることにしましょう。
5度や8度は完全協和音程といって、2つの音程が非常に調和します。
あまりに調和しすぎて5度だけでは物足らず、豊かに和音が響くのには3度の音が欠かせないわけです。
美しく豊かで自然な和声というものは4声をまとめて聞いた時だけでなく、どれか一つのパート、あるいはある2つのパートの組み合わせだけを聞いた時も、豊かに響いていないといけません。
ある2つのパートに連続8度の動きがあると、その2つのパートだけを聞いた時非常に味気なく、躍動感に欠けたものになってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑤役に立つのか?

今回の記事で書いたようなことは和声学を勉強せずともある程度音楽をやった人なら体感的に肌で感じてきたものばかりだと思います。
それを厳密に厳格にルール化したものが和声学と言えるでしょう。
現代のポップスではコードに対する考えそのものが、和声学が確立された時代と大きく違いますので、これをどう活かすかは難しい問題です。

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

村瀬恭久講師の執筆ブログ記事ページ

 

 

 

 

まとめと実践ガイド

①和音を構成するパート数を制限する
打ち込みの場合、人員に制限なく幾らでも音の数を増やすことが出来ます。
場合によっては必要のない音を入れてとりとめなく散漫な響きになることがあります。
特にオーケストラ楽器を打ち込む際はパート数を制限して、その中でいかに豊かに聞かせるかということを考えて見るのも良いかも知れません。

②パート単体で聞いてみる
打ち込みの場合、トラック全体に耳が行きがちです。
それはそれで良いことなのですが、和声学はミクロの学問でもあります。
一つ一つのトラックをバラバラにして、各パートの各コードの連結、響きをチェックしてみると新たな発見があるかも知れません。

③「和声学」について実践的な理解を進めたい場合、ハイドン、モーツアルトなど古典の作品を聞くと良いでしょう。
特に四重奏などのスコアを買ってきて打ち込みながら研究すると活かし方が見えてくるかも知れません。



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