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マッシュミュージックスクール ボーカル科作詞科作曲・編曲科講師の藤本涼子です。

本日は、
☑︎声が通らない
☑︎声を聞き取ってもらえない
☑︎声がこもっている
☑︎響きのある声が出せるようになりたい

とお悩みの方に、自分でできる声の響かせ方についてお伝えします。




 

 

 

 

 

①【響く声の作り方】通る声とは?共鳴について

「声の響きを変えたい」「通る声を作りたい」と思った時、どのようにすれば良いでしょうか。

早速、結論からお伝えしましょう。

結論:こもった声を解消して、響く声や通る声を出すには、 『母音の響きを変化させる』ことで共鳴を変化させる

響く声を出せるようになるためには、母音の響き??? と驚くかもしれません。
まずは『共鳴』についての理解が必要です。

 

 

 

 

 

1.1 共鳴とは『声の音響効果』


共鳴とは、「声の音響効果」です。
特定の音を増幅させるためのアンプ(amplication)の役割を果たします。 (somatic voice work℠より)

ボイスサイエンス上では、共鳴は、声道(Vocal tract)が変化することによって区別される周波数の成分(フォルマント)を指します。

フォルマント(表記はF1, F2)とは、声帯で生まれた音(声帯原音)がVocal tract(声道=声帯よりも上の喉や顔の空洞)を通る中で共鳴して、特定の周波数が強調された音です。

フォルマント周波数に応じて『母音』が変化します。
つまり、『共鳴は母音の形を変えることによって変化』します。
そのため、共鳴は『母音の変化を形作るもの』と言えます。 そのことを英語では、vowel-sound shapingと言っています。

ではフォルマントはどうやって表すのでしょうか?
それは、音声のスペクトル分析(ソナグラム)によって波形で表されます。
その波形が変化する、つまりフォルマントを変化させるためには、空間の形を変化させます。
共鳴(Resonance)を変えることができるものは、舌/唇/軟口蓋/顎 などの共鳴器(Resonator)です。
それらの形を変えることによって、母音が変化します。

つまり、私たちが、「声の響きを変えたい」「通る声を作りたい」と思った時、 『母音の響きを変化させる』ことで共鳴を変化させると良いのです。

ちなみに、子音は、息の流れを止めたり弾いたりと妨害することで生まれます。
言葉は、息の流れを調音器官によって妨害してできる「子音」と、フォルマントを変化させる「母音」を組み合わせることによって生まれます。
そのことは、『調音(構音)= Articulation 』と言い、『共鳴=Resonace』とは別物ですので、ご注意ください。
それでは、母音の音色(vowel timbre)や声色(vowel color)をどうやって変化させていけばいいでしょうか?
具体的な方法を見ていきましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②同じ母音の音色や声色を変化させる方法ー通る声の作りかた

 

Vowel-Sound Shaping:
例えば同じ『あ』の口を
①相対的に口を横方向に開ける- Mouth Horizontal イメージは笑顔の口
②相対的に口を縦方向に開ける-Mouth Vertical  イメージはすすり泣く
③その中間の形にする - Mouth Neutral ニュートラルポジション

で発音してみてその変化を感じてください。

響きが変化して、同じ母音でも

①明るい 
②暗い
③両方(ニュートラル)

の響きになることがわかりますか?

①は、ツイーターやトレブルの高音成分が高まります。
②は、ウーファーやベースの低音成分が高まります。
③は、そのどちらの成分も感じることができます。

そのようにして、同じ言葉でも口の形を微調整することで音色が変わり響き方が変わります。

ニュートラルな母音のポジションから、①の相対的に口を横方向に開けることで高音成分が高まり他の音に埋もれにくい、通りやすい声を作ることができます。
まずはニュートラルな母音の発音方法と通る声の口の形の変化の区別を作ってみて、話ごえや歌声をより①にするように意識してみましょう。

逆に、自分の声が甲高くて落ち着いた印象を持たせたい時には、②を意識して発音してみましょう。

ご自身の目的に応じて、微調整することで欲しい響きを出すことが可能です。
各母音のニュートラルな母音の作り方については、 【高音の出し方】ヘッドボイスを楽に出す方法 の④の各母音のアーティキュレーション(調音/構音)をご参考ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③声を響かせようとして音量を上げるのは間違い

「声がこもっている」「声が通りにくい」ことを解消するために、大きな声で歌おうとする方がいます。
しかし、声量を上げることで「通る声」や「響きのある声」を作ることはできません。

音量は、『吐く息の強さ(呼気圧)』によって変化します。
そして、音量は、デシベル(dB)で表記されるものです。
大きな声は、吐く息を強めることで音量が出ます。
声の音色を変えるのは『共鳴』でした。
それを変化させるためには『母音の響きを変える』ことによってフォルマントが変化します。

ただ音量を上げるのは、吐く息を強めているだけで、デシベルが上がるだけです。
音量と共鳴は違うものだということを覚えておきましょう。

余談ですが、大きな声を出しそうとして、喉が痛くなったり、苦しくなったりしたことはありませんか?
その原因は、声帯を通る吐く息の強さ(呼気圧)と、喉頭筋のバランスが崩れるからです。
音量を大きくしようとする場合、喉頭筋のバランスが良い状態のまま強化させていくことが必要ですが、そのバランスを崩して吐く息だけを強めても、力強いパワフルな音量を出すことはできません。

例えば、ウェイトトレーニングをやったことのない初心者が、いきなり100キロのダンベルを持ち上げようとしたら、筋力をつける前にケガをしてしまうかもしれません。
筋肉へ適切な負荷を掛けながら徐々に筋力をアップさせるためには、まずは楽な10キロから、そして20キロ、30キロと徐々に負荷を掛けていくことが必要ですよね。

響く声を出したいと音量を上げて歌うことは、目的と手段が違います。
しかも、音量を上げて歌うときに、ただ吐く息を強めて歌ってしまっても、筋肉のバランスが崩れて喉が痛くなることがあります。
その場合は、直ちに大声で歌うのはやめましょう。
”声量アップして歌いたい!”という方は、別の記事で音量アップの方法をお伝えしたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

 

 

 

 

 



いかがでしたでしょうか?
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
今回の声の響きについてのお話は少し難しかったかもしれません。
ボイストレーニングの道筋はたくさんあり、レッスンではボイストレーナーは最適なものを選び取って色々な方法を試しながら、その方の状況に合わせて最適な方法を選び取ることでトレーニングしていきます。
今回は、その『判断基準』となる部分をご自身で知ることによって、ご自身で良いやり方を見つけていくために必要な知識をお伝えしました。
色々と試しながらその声の変化を感じ取ってみてくださいね♪
そして、トライしてみてもよく分からないな、一人では上達しにくい、という方は、ぜひプロのボイストレーナーのガイドと共にやることをお勧めします。
また、ボイストレーナーを目指す方やスキルアップの方にも養成も行っています。どうぞお気軽にレッスンにいらしてくださいね!

 

 

 

 

まとめ

声の響きは、共鳴によって変わります。
共鳴は声道(Vocal tract)を変化することで変わります。
その中で自分で変えられるのは、母音の響きです。
【Vowel-Sound Shaping(母音発音の口の形)】を調整することで通りやすい声を求めることができます。
音量そのものを上げるのは、呼気を強めることです。
声の響きや通る声を求めるために音量を上げるのは”間違い”です。
ただ吐く息を強めようとすると余計な力みが出やすく喉が痛くなることがあります。くれぐれもご注意ください。
適切なボイストレーニングを行えば、発声器官(調音器官)を調整しながら喉頭筋のバランスを良くして、音量をベースアップさせていくことが可能です。


実践ガイド

通る声の作り方は、【Vowel-Sound Shaping(母音発音の口の形)】によって作られる。
例えば同じ『あ』の口を
①相対的に口を横方向に開ける- Mouth Horizontal イメージは笑顔の口

響きが相対的に明るくなる=ツイーターやトレブルの高音成分が高まる。

②相対的に口を縦方向に開ける-Mouth Vertical  イメージはすすり泣く

響きが相対的に暗くなる=ウーファーやベースの低音成分が高まる。

③その中間の形にする - Mouth Neutral ニュートラルポジション

響きは両方の要素を持つ=そのどちらの成分も併せ持つ。

※全ての母音を、3種類の【Vowel-Sound Shaping(母音発音の口の形)】にして発音してみて、その響きの変化を感じてください。

よくある間違いは、『声を響かせたい』『通る声を出したい』と、ただ単に大きな声で歌おうとすることです。
声の音色を変えるのは『共鳴』で、それを変化させるためには『母音の響きを変える』ことによってフォルマントが変化します。
ただ音量を上げるのは、吐く息を強めているだけで、デシベルが上がるだけです。
しかも、その時に起こりやすい問題は、吐く息の強さ(呼気圧)と声を出す時に使う喉頭筋のバランスが崩れることです。
もし声量を上げようとして喉に違和感を感じたらすぐにやめましょう。
「自分では分かりにくい」と感じる方は、どうぞお気軽にレッスンにお越しくださいね♪ 趣味で歌いたいという方も、分かりやすく丁寧にお伝えしていきます。



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