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マッシュミュージックスクール DTM科トラックメイク科講師の坂本竜太です。

前編に引き続き後編となる今回は、
「歪み系プラグインを駆使したワイルドなガレージロックドラムの作り方」
「MIDIの打ち込みのコツ」について解説していきたいと思います。

いわゆる生ドラムを打ち込みで再現する場合、もちろん打ち込みのテクニックも大切ですが、 それ以前に
「いかに頭の中でドラムフレーズやビート感をイメージできているか?」
という点がとても大切になってきます。

「こんなフレーズやビート感にしたい!」
ということがイメージできていないと

「何が(どこが)悪くてイメージ通りにならないのだろう…?」
という状態になってしまい打開策を見つけることが難しくなってしまいます。

イメージ通りのドラムトラックにするにはどうすれば良いのか?

冒頭部に動画解説。
それ以降は文章・音源での解説になっています。
それでは詳しく見ていきましょう。

 

 

動画解説

 

 

 

 

 

 

①ドラムトラックのみを聴いてみましょう。

ますはドラムトラックのみを聴いてみましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?

今回の制作でイメージしたのは、
「打ち込み感のない躍動感のあるリアルなドラムフレーズと疾走するようなビート感」
です。

ドラム奏法(スネア)のひとつの「フラムやロール、またゴーストノートを多用」することで、 打ち込みのドラム特有のベタっとした抑揚のなさを解消しています。
また、DAWソフトのドラム音源は同じスネアやキックの音色でもベロシティーによって表情がかなり変わってくるので、 その辺りのクセを理解し打ち込みに活かしていくことが大切です。
それでは実際のMIDIの打ち込み方を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

②ドラムのMIDIの打ち込み #1 (スネア)

 

2.1 ドラム音源の呼び出し方

 

今回使用しているドラムキットは「Studio Tight Kit」という音色で、Logic Pro Xでは「レガシー」というカテゴリーの中にある音源です。

音源の呼び出し方
①「新規トラック制作」から「空のチャンネルストリップ」を選択

②「ライブラリを開く」のチェックボックスにチェックを入れてトラックを作成

③画面左側にサウンドライブラリが表示され、一番下に 「レガシー」の項目があるのでそれをクリック

④一番上の「Logic」をクリックし「04 Drums & Percussion」から「01 Acoustic Drum Kits」を選び「Studio Tight Kit」を選択して呼び出す

 

 

 

 

 

 

 

 

2.2 3種類のスネアの音を駆使する

 

このドラムキットに限らず、DAWソフトのドラム音源にはノートによって数種類のスネアが用意されています。
今回のデモ楽曲ではその中から3種類のスネアを使っています。
まずはその音色の違いを聴いてみましょう。

 

いかがでしたでしょうか?
再生順に「ノーマル(D-1) → フラム(D#1) → ロール(D#-1)」となっていますが、
このような奏法の違いの音色を組み合わせることで無機質で抑揚のない感じになりがちなドラムの打ち込みを表情豊かに変えることができます。


また同じ音色でもベロシティーによって音の響きもかなり変わってくるので実際に聴いてみましょう。

 

このようにベロシティーだけでも表情がかなり変わってくるのが分かるかと思います。
スネアの奏法とベロシティーによる音色の変化を細かくエディットするだけでもドラムトラック全体に人間味を加えることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③ドラムのMIDIの打ち込み #2 (キック・ハイハット・シンバル・タム)


次にスネアをミュートしてキック・ハイハット・シンバル・タムのみで聴いてみましょう。

 

ポイント!
①前半の1.2.3.4拍全てにスネアが入るところのハイハットをセミオープンにすることで荒々しい躍動感を作る
②通常の8ビートのところのハイハットは2拍・4拍目のハイハットのベロシティーを1拍・2拍目のハイハットより小さくする

これにより滑らかなビート感を出しています。
またキックが8分音符で「ドンドン」と続けて鳴る時は前後ろのどちらかのベロシティーを小さくすることで機械的なノリを解消することができます。

 

 

 

 

 

 

 

3.1 さらに人間味を出すテクニック

 

これは個人的にも良く使うテクニックなのですが、
「アクセント的にキックとオープンハイハットを同時に鳴らす」
ことでさらに人間味の増した表現にすることができます。

スネアが鳴る1拍前に置くと効果的です。
この時、キックとオープンハイハットの次の拍のクローズハイハットを入れるのを忘れないようにしましょう。
このハイハットはクローズさせる目的だけの音なのでベロシティーはかなり小さく設定した方が自然な響きになります。

では実際に音で聴いてみましょう。

 

このような細かいテクニックを楽曲に取り入れていくにはMIDIのステップ入力でじっくりと打ち込むことが大切です。
結果的に仕上がったフレーズが納得できるものであれば、実際にドラマーが叩けないフレーズであっても全く問題ありませんので、 これだ!と思ったアイデアはどんどん試して取り入れていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④ドラムトラックを打ち込む時の手順と意識しておきたいこと

 

 

 

 

4.1 ドラムサウンドをしっかりと作り込んでからMIDIで打ち込む

 

前編で解説したように「ドラムを歪ませると必然的に音の残響が長くなります」
歪ませたことによりタムのような残響の長い音の場合はさらに残響が長く鳴るので、ドライ(エフェクトなし)の状態では カッコ良かったフレーズがいざ音を作り込んでいくと「何かキレが悪いなぁ…」などということになってしまいます。
このようなことにならないためにも、まずはドラムサウンドをしっかり作りこむことが大切です。

 

 

 

 

 

4.2 面倒でも1音1音ステップ入力で打ち込んでみること

 

とても大切です。

そして
「感覚としてはドラマーになりきること」
です。

ギターやベースの打ち込みでもそうですが、 実際にドラムを叩ける必要はありません。
まず、ドラマーに成りきって打ち込みたい(叩きたい or 叩かせたい)フレーズをしっかりと頭で描いてみることです。
好きなアーティストのドラムフレーズを参考にするのも良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

4.3 違和感が解決されてく=打ち込みのスキルがアップしている

 

またキック、スネア、ハイハットと1音1音ステップ入力で打ち込んでいくと、
「思い描いているドラムのイメージと違うのは どうしてなのか?」
という問題の解決にじっくりと時間を費やすことができます。

それがキックのベロシティーなのか?
スネアのフラムやロールが入っていないからなのか?
などととじっくり考えることができます。

この「何か違う…」という違和感が解決されてく=打ち込みのスキルがアップしてきている、ということなのです。

 

 

 

 

 

 

 

4.4 4小節や8小節くらいの短いフレーズから作ってみる

 

4小節や8小節くらいの短いフレーズから作ってみるのもおすすめです。
最初はかなりの時間がかかってしまっても、この段階でドラムキットの構成やそれぞれの音の干渉の仕方などをしっかり理解することで、
以降はその知識をベースに制作できるので制作スピードが格段にアップします。

 

 

 

 

 

 

 

4.5 MIDIのクオンタイズはジャストでOK!

 

今回のデモ楽曲も
「ヒューマナイザーなどのいわゆる揺れ~グルーヴを作る処理は一切していません」

 全ての音がジャストのタイミングで鳴っています。
このように闇雲にヒューマナイザーに頼るのではなく、奏法やベロシティー、打ち込むタイミングやフレーズ作りをしっかり理解することでグルーヴ感のあるしっかりとしたドラムフレーズを作ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
ドラムの細かな奏法やベロシティー、打ち込むタイミングなどを熟考することで躍動感あるドラムフレーズを作ることができます。
今はドラッグ&ドロップでハイクオリティーでカッコ良いフレーズが簡単にプロジェクトに取り込めてしますが、 1音1音ステップ入力で打ち込むことにより、ドラムフレーズの成り立ちそのものを理解することができます。
一度感覚をつかんでしまえば応用は無限です。ぜひ皆さんもご自身の楽曲に取り入れてみてください!
また「前編 : ドラムサウンドメイキング編」も合わせてご覧ください。
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ

 

 

 

 

まとめ

①フラムやロール、ゴーストノートなどのドラムの奏法を理解し、よりリアルなフレーズを構築しよう!

②ハイハットはベロシティーが命!
じっくりと調節することで機械的なドラムから脱却!

③クオンタイズはジャストでもOK!
ヒューマナイザーに頼る前に奏法とベロシティーでグルーヴを追求しよう!

 

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