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マッシュミュージックスクール DTM科トラックメイク科講師の坂本竜太です。

今回はEDM~フューチャー・ベースなどの楽曲では定番のテクニックとも言える「サイドチェインコンプ」について解説いたします。
「キックとリードシンセが同時に鳴った瞬間に、リードシンセの音量が下がり、ンワ~ンワ~と聴こえるグルーヴィーなクラブサウンドを 作るテクニック」で、これらのジャンルのトラックメイクには欠かせないものとなっています。

また、プラグインのルーティング(信号が流れる経路)や設定は各DAWソフト共通となっていますので、 ぜひこの機会に試してみて下さい。

冒頭部に動画解説。
それ以降は文章・音源での解説になっています。
それでは詳しく見て行きましょう。

 

 

動画解説

 

 

 

 

 

 

①サイドチェインコンプとは?

ここで解説するサイドチェインコンプとは「キックが鳴った時、その信号をリードシンセ側にインサートしたコンプレッサーで 受け取る」というルーティングのことになりますが、リードシンセ以外でもベース、シンセパッド、シンバル、FX効果音など 様々なパートに応用することができます。
このルーティングにより、リードシンセ側のコンプレッサーはキックが鳴る 全てのタイミングで反応し両者が常にシンク(同期)している状態となります。

また、ここでのキックの役割はリードシンセ側のコンプレッサーへ信号を送ることのみなので、 最終的には「信号を受け取ったリードシンセ側のコンプレッサーの設定でグルーヴを作っていく」、ということになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②サイドチェインコンプ効果を作るためのプラグインのルーティングと設定





まず「キックのトラックでBusを作成」します。この時のBusは1~256のどれでも良いのですが、今回はBus1を選択することにします。
このBusは「キックの信号を別のトラックへ送る設定」という役割で、①で解説したように「最終的にはこの信号をリードシンセ側の コンプレッサーで受け取る」流れになります。




次に「このBusの信号はプリフェーダーか?ポストフェーダーか?」を決めます。
これは「プリ = 前 / ポスト = 後」の名前の通り、
プリフェーダーはフェーダーを通る前、つまりフェーダーの値には左右されない 状態で、ポストフェーダーはフェーダーを通った後、つまりフェーダーの値でBusへ送る信号の量が変わる」ということを指します。
今回のような「キックの音量 = フェーダーの値に関係なく、キックが鳴っているか?否か?だけの情報のみを Busに送りたい場合はプリフェーダーを選択」しましょう。

こうすることで、仮にキックのフェーダーの値をゼロにしたとしても MIDIノートが鳴っている限りは信号がBusへ送られることになります。




次にセンドの値ですが、ここでは「基準値となる0.0に設定」します。




また、「Busを作成するとDAW内に自動的にAuxトラックが 作成されます」が、これは同じ音が重複して鳴っている状態になっていますので、Auxトラックをミュートするか削除して下さい。
個人的には別のトラックでAuxを使用する時にミキサー画面が分かりにくくなるので削除するようにしています。




次にリードシンセ側にインサートしたコンプレッサーの設定ですが、「画面右上のサイドチェーンのところをクリックして、 先ほどキックのトラックで作成したBusを割り当て」ます。


これで「キックが鳴った時は必ずリードシンセ側のコンプレッサーに その情報が送られる状態」を作ることができした。

試しにキックを鳴らしてみましょう。
キックを鳴らすとコンプレッサーが反応する状態になっていればOKです。





最後にコンプレッサーの各パラメーターを設定していきます。

サンプル曲ではレシオは8:1の深めに設定し、 アタックは早め(0.0ms)スレッショルドはマイナス28.5リリースは48となっていますが、 
「グルーヴの肝となるスレッショルドとリリースの値は実際に音を出しながら調整」していきます。
特に「リリースはコンプレッサーが効いて音を抑え込んでいる時間 = 逆に言うといつ効果がなくなって音を解放するのか?を設定するので、楽曲全体のグルーヴ感を作る際にとても大切なパラメーターです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③サイドチェインコンプの設定のコツ

②の最後にも説明したようにサイドチェインコンプでグルーヴを作るコツはスレッショルドとリリースの設定が肝になります。
「スレッショルドで音を潰す範囲を決めてリリースでコンプレッサーが効いている時間を決める」わけです。

仮にスレッショルドがあまりに深いとコンプレッサーの効いている時と効いていない(解放された)時との音量さが大きくなりすぎて しまったり、

また、リリースが短かすぎるとサイドチェインコンプの効果が実感できない、
逆に長すぎるといつまで経っても音が解放されずにずっと潰れたまま、ということになってなってしまいます


なので、 どんどんパラメーターを動かして感覚を掴んで行きましょう。


また、さらにステップアップした設定として「フレーズに合わせてコンプレッサーの設定を変える」というテクニックがあります。
フレーズにはロングトーンの長めのフレーズから短い音符で刻む短いフレーズまで幅広くあり、 「ひとつのコンプレッサーの設定だけで全てのフレーズが思うように鳴ってくれるとは限りません」

今回の実践ガイドでもお聴きいただけるサンプル曲ではこの「コンプレッサーの2種類使用」を取り入れています。
サンプル曲では1小節ごとにロングトーンの長めのフレーズと短い音符で刻む短いフレーズが交互に出てきます。
ここでそれぞれのトラックを分けて作成し、コンプレッサーの設定を変えることで、より細かなトラックメイクが行えるというわけです。

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
サイドチェインコンプは「グルーヴ感という人それぞれの感覚が反映される」ものだと思います。
グルーヴ感は目に見えないものですので、各種パラメーターをどんどん動かし試していくことで感覚を掴み、 自分のイメージするベストなグルーヴ感を追求しましょう!
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ

 

 

 

 

まとめ

①DAWの中でのルーティングは簡単!
一度覚えてしまえば様々なシーンで応用ができる

②Bus、センド、プリフェーダー、ポストフェーダーなどの意味や細かな設定をしっかり覚える

③スレッショルドとリリースの関係性を理解し効果を体感しながら音を作りこむ

 

実践ガイド

今回のサイドチェインの流れをオーディオデータと画像で解説

サイドチェインコンプ OFF


サイドチェインコンプ ON



画像解説
①キックのトラックでBusを設定する



②プリフェーダーを選択



③Busのセンド量を設定



④Bus作成によってできたAuxトラックを削除 or ミュート



⑤コンプレッサーのBus(サイドチェイン)設定場所



⑥コンプレッサーのサイドチェインにキックのBusをアサインする



⑦コンプレッサーの各パラメーター



⑧コンプレッサーの2種類使用




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