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2019/6/17
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール エレキギター科・アコースティックギター科・DTM科講師の村瀬恭久です。
前回のブログ記事では「ストリングスの打ち込み」について学びました。
今回は各パートの実際の動きについてご紹介していきます。
まずは前回の重要ポイントのおさらい
ストリングス・アレンジのポイントは
1 セクションを4パート分ける。
2 各パートを独立して動かす。
でしたね。
さらに各パートを独立して動かすポイントは
①縦の積み
ある瞬間を切り取ったときに最下部のパートからトップのパートまでバランスよく音が積み上げられているか?
②横の流れ
あるパートが音楽的にメロディを担当しているか?
の2つでした。
今回は 「①縦の積み ②横の流れ とは何か?」
について、もう少し掘り下げて考えたいと思います。
①縦の積み ②横の流れ
について話すときによく引き合いに出されるのが「和声学」「対位法」の2つの理論。
ストリングスパートを作るのにこれらを全て勉強する必要はありませんし、とてもむずかしい理論なので理解に膨大な労力と時間が必要です。
「和声学」「対位法」の2つの理論では厳密な「ルール」=「禁則」=「してはいけないこと」が定められています。
その中には現代のポップスには厳しすぎてそぐわないものも多くありますが、役に立つポイントを含んでいるのも事実です。
今回はそれらをざっくり噛み砕いて役にたちそうなポイントだけをゆるーく解釈してご紹介して行くことにします。
複雑な例外や厳密なルールは省きますのでご了承ください。
注:記事内で便宜上「ルール」と言う単語を使っていますが、それは「守らなければいけないルール」と言う意味ではなく、それらをベースにした、あくまで本格的なストリングスに聞こえる「コツ」のようなものだとお考えください。
元来、理論というものは「必要」なものではなく、「役に立つ」ものであり、決して守らなければいけないものではありません。
①「縦の積み」のルール
①ストリングスセクションは下記の2つに大きく分けることができる。
(バスパートはベースみたいな役割なので他の3つとは違うよ。ということ)
(1)バスパート =チェロ
(2)上部パート =1stバイオリン 2ndバイオリン ビオラ
②上部パートの3声でコードの構成音が全て含まれてなければいけない。
(足りない音があったら駄目。ということ)
NG例
1stバイオリン =ド
2ndバイオリン =ソ
ビオラ =ド
チェロ =ド
第3音 ミ がない。
③バスパートと上部パートが重複して良い音はトニック音のみ。
(和音内に同じ音が何個もあると響きがおかしくなるよ。ということ)
NG例
1stバイオリン =ミ
2ndバイオリン =ソ
ビオラ =ド
チェロ =ミ
第3音の重複は気持ちが悪いとされている。
④バスパートと上部パートの一番低い音が離れて良いのは1オクターブ+5度くらいまで。
(低い音同士の間隔が離れすぎるとバランスが悪いですよ。ということ)
⑤各パートの間の音域はオープンかクローズかに揃える。
(各パートの間隔が離れすぎたり近すぎたりしては駄目。ということ。)
オープン(開離型)
1stバイオリン =ド
2ndバイオリン =ミ
ビオラ =ソ
チェロ =ド
インターバルが一個飛ばしで構成されています。
クローズ(密集型)
1stバイオリン =ド
2ndバイオリン =ソ
ビオラ =ミ
チェロ =ド
②「横の流れ」のルール
①他のメロディ、特に主旋律(歌ものの場合はボーカルのメロディ)の邪魔をしない
あるパートが動くときは他のパートは休む、あるいは動かない。
②他のメロディと同じ音程にしない
コードがCで歌がミだったらストリングスの目立つメロディをソとかドにする。
③全員で同じ方向に動かない
バスが上がるときは上部パートは下降する。
④同じ動きを繰り返さない
同じようなフレーズを何度も繰り返すと飽きる。
③ポップス定番の弦フレーズ
次に実際にJ-popで使われる定番のフレーズを紹介しましょう。
①ユニゾン、オクターブユニゾンで強調する
2-①と矛盾するようですが音程重複とユニゾンとは別です。
ユニゾンはポップスでは頻繁に現れます。やりすぎに注意。
例:aiko-『明日の歌』
②休符を作る
特にバラード。
一旦全音符で音を埋めだすと切り時が難しくなりますが、音の埋めすぎは散漫になるので注意が必要。
全く鳴っていないところを何度か作り曲全体にコントラストをつけます。
例:JUJU 『東京』
③駆け上がりはサビ前で効果的
サビに入る前に6連符や16分音符で駆け上がったり、掛け下がったり…はとても効果的でポップスの大定番!
やりすぎるとくどいので注意。
例:JUJU 『東京』
④刻み
ジャッジャッジャ とストリングス全体で。ミドルテンポによく合います。
例:スキマスイッチ「奏」
⑤グリスダウン
高いところから「チューん」とスタッカートで勢いよく下がるのはダンスっぽい曲での大定番!
打ち込みでニュアンスを出すのは難しい。
例:スガ シカオ(SUGA SHIKAO) / 午後のパレード
いかがでしたでしょうか?
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。
村瀬恭久講師の執筆ブログ記事ページ
まとめ
①一和音ごとの響きを意識しよう!
②横の流れを意識しよう!
③ポップス定番のフレーズを盗もう!
実践ガイド
①ストリングス単体で聞いても格好いいかどうか、重複している音が無駄に多くないか、不必要な音がないか、ストリングストラックだけを再生してチェックしましょう。
②ストリングスセクションの各パート単体で聞いて、メロディが歌えるか、流れが不自然ではないか、チェックしましょう。
③何事も模倣から始まります。
ストリングスセクションの入った色々な曲を聴いて、お気に入りのパターンを真似するところから始めましょう。
うまく行ったらオリジナルのものに自分のアイディアを投入して個性を出しましょう。
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