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マッシュミュージックスクール DTM科トラックメイク科講師の坂本竜太です。

前編に引き続き中編となる今回は、
「ポーティスヘッドのようなダウナーなトリップホップサウンドを作り方」

「シンセサウンドメイキングのコツ」①
について解説していきたいと思います。

構成されている楽器の編成はピアノやストリングス、ギターやベースといったオーソドックスなものですが、 それぞれの音色にとてもユニークなエディットを施すことでトリップホップ特有の哀愁漂う浮遊感を再現しています。
またテルミンのような特殊な楽器もソフトシンセのパラメーターに少しエディットを加え、 MIDIの打ち込みを工夫することでかなり近いニュアンスに仕上げることができます。

前回に引き続きトリッキーなテクニックが満載ですが、気に入った部分をご自身の楽曲のアクセントとして取り入れたりと様々な活用ができるのではないかと思います。
今回は中編として「シンセサウンドメイキング」①の解説となります。
それでは詳しく見ていきましょう。

「ポーティスヘッドのようなダウナーなトリップホップサウンドを作ろう! (前編 : リズムサウンドメイキング編)」の記事はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

①デモ楽曲を聴いてみましょう。

ますはデモ楽曲を聴いてみましょう。(リズムトラックはミュートしてあります)。

 

いかがでしたでしょうか?
リズムトラックをミュートしてある分、シンセサウンドのディテールがより聴き取りやすくなっていますね。
全体的に浮遊感のある枯れた感じ」にまとめつつもボトムとなる低域がしっかりと押さえられており、 個性的ながらも聴きやすいアレンジになっているかと思います。

このように
「個性的なサウンドを際立たせるにはその正反対に位置するベーシックなサウンドをしっかりと配置」し、
エディットも丁寧に行い「双方のコントラストを明確にすることがが大切です。
それでは具体的なサウンドメイキングを見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

②ピアノのサウンドメイキング

 

2.1 ピアノトラックにギターアンプ!?

 

ではまず、ピアノトラックを聴いてみましょう。


このピアノトラックは

①メインとなるパート
②高域のアクセントフレーズのパート
③低域のパート

の3トラックで構成されています。
この「ピアノトラックを3トラックに分けて構築するテクニック」に関しては以前執筆いたしました、 「BOOM BOOM SATELLITESのようなハイセンスでエレクトロ・ロックなトラックを作ろう! (シンセパート編)」に詳しく掲載されていますのでそちらをご覧下さい。

ここで注目したいところは、
「①メインとなるパート・②高域のアクセントフレーズのパートの2トラックはギターアンプで歪ませて個性的な音色にしながらも、③低域のパートは歪ませずにクリアなままで使用している」
という点です。


このような構成にすることで、①②のパートは古めかしい蓄音機のようなピアノサウンドながらも、ピアノトラック全体で聴くと低域の豊かさもしっかりと保たれたお互いのコントラストが明確な立体的なサウンドに仕上げることができます。
「個性的なサウンドを際立たせるにはその正反対に位置するベーシックなサウンドをしっかりと配置する」ということですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.2 ギターアンプを2段階に分けて歪ませる

 

ギターアンプも2段階に分けて歪ませてあるのも特徴のひとつになっています。
このように「一度に一気に歪ませるのではなく、一度歪ませた音に対してプラスαで歪みを足していく」ことで音色のエディットもより細かな部分まで調整することができます。
実際のエレクトリック・ギターに例えると、
「まずアンプで軽く歪ませておいてから足元のエフェクターで歪みを細かくコントロールする」
という考え方と同じと捉えていただければと良いかと思います。

【ギターアンプのパラメーターの設定】
※プラグイン → Amps and Pedals → Amp Designerの順に選択します。

Model : Small Tweed Combo / Amp : Small Tweed Amp / Cabinet : Tweed 1 × 2 / Mic : Condenser 87/ Gain : 7.5 / Bass : 1 / MIDS : 7 / TREBLE : 0 / REV : OFF / EFFECTS : OFF / PRESENCE : 5 / MASTER : 5

※2番目にインサートされているギターアンプは「Gainを7.5から5に変更するだけで他の値は同じ」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.3 トラックごとにピアノの音色も変える

 

またトラックによって使用するピアノの音色を変えている点も細かなテクニックのひとつになっています。


今回は①メインとなるパート・②高域のアクセントフレーズのパートはLogic Pro X付属の「Bosendorfer Piano Hall」という音色を使用し、
③低域のパートは「Steinway Piano Hall」という音色を使用しています。

これは「Bosendorfer Piano Hall」がギターアンプで歪ませるのに適していたことと、「Steinway Piano Hall」の持つワイドなレンジ感と低域の豊かさを組みわせてみようというアイデアからこのような選択をしています。
「必ずしも同じピアノの音色で3トラックを構成しなければならないというルールはありません」ので、 このようにフレキシブルに色々と試してみることをオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③ギターのサウンドメイキングとMIDIの打ち込みのコツ #1 (アルペジオ)


ではまず、ギタートラックを聴いてみましょう。初めにアルペジオパートです。

 

今回はLogic Pro X付属のギター音源から「New Surf Lead」を使用しています。
この音源は「レガシー」というカテゴリーの中にありますのでまずこの「レガシー」から音色を呼び出してみましょう。
※レガシー音源の呼び出し方は「DAWのプラグインのみでMY BLOODY VALENTINEのようなシューゲイザーギターサウンドを 作ろう!」に掲載されていますのでそちらをご覧下さい。

クランチな歪みでピッキングのニュアンスも良い感じで表現できており、トリップホップ特有の「枯れた感じ」を作り出しています。

注意したい点として「ギターを歪ませすぎてしまうと音の持続時間が長くなるので他のトラックの音色との隙間がなくなってしまい、楽曲全体の空間が埋まり過ぎてしまう」ので、かなり軽めの歪みに抑えておくのもポイントです。

そして仕上げにステレオディレイで浮遊感を出しリバーブで少し広がりを与えます。


またギターのMIDIの打ち込みは下の画像のように「それぞれのノートが少し重なるように打ち込むのがポイント」です。


実際のギターでもアルペジオの際は複数の弦が同時に鳴っていますので、MIDIの打ち込みでもその状況に近づけることで 弦と弦の共振が再現されよりリアルな響きになっていきます。

 

 

 

 

 

 

 

④ギターのサウンドメイキングとMIDIの打ち込みのコツ #2 (不協和音コード)

 

 

 

4.1 不協和音コード音源のエフェクト設定

 

では次に、不協和音コードとアクセントとして最後に鳴るアームダウンのトレモロギターも合わせて聴いてみましょう。

 

不協和音コードにはLogic Pro X付属のギター音源から「Beatnik Guitar」を使用しています。(レガシー音源)

シングルバンドEQで低域をバッサリとカットし、ポーティスヘッドの「Cowboys」のギターのようなスカスカな感じを作り、 ディレイもセンターのみにかかる「Echo」を使用しています。
Echo」はダブテイストなディレイを作るにはとても優秀なプラグインで個人的にも頻繁に使用しています。
「Color」というパラメーターをプラスの数値に持っていくほど(今回は+25)ディレイ音にローカットフィルターがかかるようになっており、DRY(原音) / WET(ディレイ成分)のWET値をかなり大きく設定しても空間にスッと溶け込むような効果が得られます。

 

 

 

 

 

4.2 REPLIKAがおすすめ!

 

また個人的には「ディレイ機能付きリバーブ」として認識しているNative Instrumentsの「REPLIKA」もここではとても大きな存在感を放っています。
「Echo」でかけた付点8分のディレイに対して「REPLIKA」はストレートの4分でディレイがかかっています。
この「ディレイの2段階掛け」に加えて、「REPLIKA」の持つ非常に粒子の細かい透き通るようなリバーブ感がこのサウンドのキモと言えます。
様々な空間系プラグインが存在していますが、この「REPLIKA」の持つ質感は特筆すべきものがあると思います。

Native Instruments : REPLIKA ¥6,600(単品)


また同メーカーのKOMPLETE 12 SELECTにもバンドルされていますので少し予算に余裕がある場合はこちらもオススメです。

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4.3 不協和音コードの作り方

 

これはもう「ご自身のセンスと感覚のみ」に振り切って作ることが大切です。
ポーティスヘッドの楽曲の中にも度々この「不協和音コード」が登場するのですが、
「理論上では既に間違っているコードなので、 ここから先はどんなコードをあてようと全てが自由」です。
あとは「ご自身でこれだ!という絶妙な不協和音コード」を色々と試してみましょう。
今回のデモ楽曲でも僕個人がこれだ!と思う不協和音コードを探し取り入れています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
今回も前回に引き続きかなり個性的なテクニックが満載だったかと思いますが、このようなテクニックは意外にも 様々な楽曲のアクセントとしての汎用性が高いものだと思います。
初めてこのようなトリップホップサウンドや独自のサウンドメイキングに触れる方も多いかったかと思いますので、 これを機にさらに追求してみるのも良いですし、ご自身の楽曲のブラッシュアップのテクニックとして活用するのも良いかと思います。
次回は「後編 : シンセサウンドメイキング編」なりますのでこちらもお楽しみに!
また「前編 : ドラムサウンドメイキング編」も合わせてご覧ください。
下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

 

 

 

 

まとめ

①ピアノは2段階に分けて歪みの質感をじっくりエディットしよう!

②歪ませないピアノを併用してお互いのコントラストを際立たせよう!

③ギターのプラグインのインサート順は自由自在!既成概念にとらわれずにどんどん実験してみよう! 

 

実践ガイド

今回の流れをオーディオデータと画像で解説

デモ楽曲(リズムトラックミュート)

 

ピアノトラックのみ

 

ギターアルペジオパート

 

ギター不協和音コード・トレモロパート

 



画像解説
①ピアノトラックのプラグイン設定画面



②ピアノ音色_ベーゼンドルファー




③ピアノ音色_スタインウェイ



④ギターパート_アルペジオ_プラグイン



⑤ギターパート_アルペジオ_MIDI



⑥ギターパート_不協和音ギター_プラグイン

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