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マッシュミュージックスクール DTM科トラックメイク科講師の坂本竜太です。

今回は「Native Instruments KOMPLETE 12 ULTIMATE」にバンドルされているソフト音源~プラグインをフル活用したトラックメイキングの
第7回
「BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -」の解説となります。

2020年10月より同シリーズの大幅なメジャーアップデート版となる、最新バージョン「KOMPLETE 13」がリリースされ注目を 集めていますが、KOMPLETEシリーズの中核となる「ULTIMATE」でも、旧バージョンからのアップデート価格が¥52,800と決してリーズナブルとは言えない価格になっています。
そこで、闇雲にアップデートする前に今お持ちの
「KOMPLETE 11~12 ULTIMATEシリーズ」の各種ソフトウェア~プラグインを徹底的に使い倒してトラックメイキンングしてみよう!
というのが今回のブログの企画となっています。

KOMPLETEシリーズは多機能ゆえに、買ったものの結局あまり活用していない…
という方も多いのではないでしょうか?

デモ楽曲はタイトなリズムトラックやラウドかつ叙情的なギター、ドラマティックなストリングス、シネマティックなパーカッションで構成された現代的なロックサウンドの楽曲を用意いたしました。
今回から数回に渡り
「KOMPLETE 11~12 ULTIMATEシリーズを使い倒したトラックメイキング」
をご紹介していきたいと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。

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また、私が制作したものの中で 
「KOMPLETE 12 ULTIMATE」のライブラリー中心に制作したサウンドトラック集
があります。
こちらも是非ご参考にしてください。

KOMPLETE ULTIMATEシリーズを使い倒したブログ記事・動画
第1回:ドラムトラック編 (STUDIO DRUMMER)
第2回 : Guitar Rigの活用 : 基礎編 (ギタートラック : イントロ & ベーストラック)
第3回 : Guitar Rigの活用 : 応用編 (ギタートラック)
第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法
第5回 : ACTION STRIKEの使い方~活用方法
第6回 : THE GRANDEUR(ピアノ音源)の使い方~実践的なプラグインの活用方法

 

動画解説


フルバージョンデモ

 

 

 

 

 

 

①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう(今回は間奏部分の解説となります)

 

ますはデモ楽曲を聴いてみましょう。

 

デモ楽曲(間奏部分)


デモ楽曲(間奏部分:BRASS ENSEMBLEのみ)


いかがでしたでしょうか?
とても華やかでワイドレンジなブラスサウンドと表情豊かなアーティキュレーションが特徴的な 「BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -」ですが、KOMPLETE ULTIMATE 12にはこの「SYMPHONY ESSENTIALSシリーズ」が「PERCUSSION、STRINGS、WOODWINDS」と豊富にラインナップされていますので、 シーンに応じて組み合わせて活用するのが良いでしょう。

またこの「SYMPHONY ESSENTIALSシリーズ」は他の「PERCUSSION、STRINGS、WOODWINDS」も含めて各種パラメーターの設定がほぼ同様の構成になっていますので、今回の「BRASS ENSEMBLE」で概要を覚えておくと他の音源の導入も容易になるかと思います。

【Native Instruments : BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -】 : 製品紹介

 

 

 

 

 

 

 

②BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -の画面構成 ~ 楽曲への取り入れ方

2.1 画面構成


ではまず初めに「BRASS ENSEMBLE」の画面構成から見ていきましょう。

①Ensemble

②Articulation

③Effects
「BRASS ENSEMBLE」は「①Ensemble / ②Articulation / ③Effects」の3つのカテゴリーで構成されています。(画面中央 / キーボード画像の上に配置 ~ 切り替え)

Ensemble:ブラスの各セクション(TUBAS / TROMBONES / HORNS / TRUMPETS)のミックスバランスを調整

Articulation:音色のアタックやリリースといった定番のパラメーターや各種アーティキュレーションを設定

Effects:EQやコンプレッサー、リバーブなどを設定


ですが、最初からこの3つのカテゴリーの機能を全て活用しなくてはならない、ということはありませんので、ご自身の楽曲により素早く効率的に取り入れられるように今回のデモ楽曲を参考に解説していきたいと思います。

 

 

 

 

 

2.2 楽曲への取り入れ方


まず、①Ensembleですが、今回のデモ楽曲では「TROMBONES」のパートしか使用していませんので、 この画面のパラメーターはデフォルトのまま(フラット)でOKです。↓
なお、キーボード画面の左から「赤 = TUBAS / 黄色 = TROMBONE / 緑色 = HORNS / 青色 = TRUMPETS」となっており、 使用できる音域も各楽器に合わせてあらかじめ設定されていますので、楽曲のアレンジに合わせてパートを追加してみるのも良いでしょう。


次に②Articulationですが、ここも「Release」を100%に設定しているのみでその他のパラメーターは デフォルトのままで使用しています。↓
そして今回のアーティキュレーションは「Sforzando = D#0」を使用していますので、ピアノロールにアーティキュレーションの切り替えのMIDIノートを打ち込んでおきます。↓


最後に③Effectsですが今回のデモ楽曲では全て未使用になっており、細かい音の作り込みはプラグインで行っています。
このように、KOMPLETEシリーズのような多種多様で複雑そうなな音源が満載のライブラリーを使用する際は、 最初から全ての機能を使わなければ…と思わずに、まずはデフォルトに近いセッティングで全く問題ありませんのでアクセント的にでも使用してみるのがオススメです。
そして「もっと作り込みたいな」と思った時に細部のパラメーターに着目していく、という流れが良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③プラグインによる音の調整~作り込み

次に「BRASS ENSEMBLE」のトラックにインサートされているプラグインを見てみましょう。

使用しているプラグインは

「Compressor」→ 「Single Band EQ」 → 「Channel EQ」 → 「Ozone Imager 2」 → 「Space Designer」

の順にインサートされています。

ではプラグインのON/OFFでそれぞれ聴いてみましょう。
プラグイン_ON


プラグイン_OFF

こうして聴き比べるとプラグインなしで聴いた時の方が柔らかい質感に聴こえますが、この状態だと楽曲の中で鳴らした時に「低域が出過ぎていてこもっていてヌケが悪い音」になってしまいます。
このように
ソフト音源(今回はブラス)単体で聴いて心地良いのと、楽曲の中で鳴らした場合に心地良い音は全く別モノ
と考えて音作りを行っていくことがポイントです。


今回は基本的にベーシックなプラグインで音作りを行っていますが、ここでのポイントは3点です

①Single Band EQで低域をバッサリとカット (150Hz以下をカット)
EQオフの状態の周波数

EQオンの状態の周波数

Channel EQなど通常のEQでも同様のエディットが可能ですが、個人的にはこのように「メインのEQに行く前に音のある程度の下処理を行なっておく」というスタイルがおすすめです。



②Channel EQで7500Hzと15000Hzを緩やかな「Q」で少し持ち上げて全体的にヌケを良くして、ブラス音源のきらびやかな成分を強調させる。
◉Qとは?
= EQのが適用される範囲のこと。
Qの範囲が狭いと特定の周波数のみを狙ってブースト/カットでき、Qの範囲が広いと指定した周波数を中心としてその近辺の周波数を含めてブースト/カットできます。



③iZotope 「Ozone Imager 2」でステレオのワイドレンジ(Width)を広げて楽曲全体を包み込むように調整
◉「Ozone Imager 2」は「WAVES S1」と同様にステレオイメージを調整するプラグイン」で、僕のブログにも度々登場していますが、「WAVES S1」と比較するとシンプルなパラメーター構成になっており、サウンド自体もより現代的なステレオイメージを作り出すことができます。

では「Ozone Imager 2」のON/OFFでそれぞれ聴いてみましょう。

「Ozone Imager 2」ON


「Ozone Imager 2」OFF



◉iZotope 「Ozone Imager 2」 (iZotope : フリープラグイン : 要アカウント作成~要iZotope Product Portal)

このように
「鳴っているサウンドが存在して欲しい場所 = LRだけでなく音像としての前後も意識する」
というアプローチは、楽曲をよりハイクオリティーなミックスに仕上げていく際にとても重要な考え方になってきます。
「アンサンブルになった時に、それぞれのサウンドが適材適所に配置されているかどうか?」という、
「音像を三次元的に捉える考え方や視点を持つ」ことによって楽曲全体のミックスバランスやクオリティーは飛躍的にアップしますので、この機会にぜひ実践してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
「BRASS ENSEMBLE」は大編成のブラスセクションのディティールを細部までサンプリングしたブラス音源ですので、今までDAW付属のブラス音源をメインで使用していた方にとっては、楽曲全体の印象や クオリティーをアップさせることのできるブラス音源だと思います。
また、「BRASS ENSEMBLE」を始めとして「SYMPHONY ESSENTIALSシリーズ」の各種音源は、聴いてみて素晴らしいクオリティーなのは分かるものの、いざご自身の楽曲に取り入れるとなると使用用途が明確にならず、 二の足を踏んでしまいがちな音源です。
今回のブログを活かしていただだくことで、まずはアクセントとしてすぐにご自身の楽曲に取り入れられるかと思います。
ブラス音源はストリングス音源と併せて楽曲にダイナミックで華やかな印象与えてくれる音源ですので、皆さんもこの機会にぜひチャレンジしてみて下さい!

次回もこのデモ楽曲で使用されている「KOMPLETE音源の解説~実践編」を紹介していきますのでお楽しみに!

下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ

坂本講師が「KOMPLETE 12 ULTIMATE」のライブラリー中心に制作したサウンドトラック集

KOMPLETE ULTIMATEシリーズを使い倒したブログ記事・動画
第1回:ドラムトラック編 (STUDIO DRUMMER)
第2回 : Guitar Rigの活用 : 基礎編 (ギタートラック : イントロ & ベーストラック)
第3回 : Guitar Rigの活用 : 応用編 (ギタートラック)
第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法
第5回 : ACTION STRIKEの使い方~活用方法
第6回 : THE GRANDEUR(ピアノ音源)の使い方~実践的なプラグインの活用方法

 

 

 

 

まとめ

①BRASS ENSEMBLEはまず「TUBAS / TROMBONES / HORNS / TRUMPETS」の中から好きなパートだけ使用してみよう!

②細かなパラメーターを全て把握する前に実践第一!
ますはアクセント的な使い方で楽曲に取り入れてみよう!

③Ozone Imager 2で楽曲全体を包み込むような音像を意識して、楽曲全体を三次元的音像で捉えるようにしよう!

 

実践ガイド

今回の流れをオーディオデータと画像で解説

デモ楽曲(間奏部分)


デモ楽曲(間奏部分:BRASS ENSEMBLEのみ)


プラグイン_ON


プラグイン_OFF


「Ozone Imager 2」ON


「Ozone Imager 2」OFF

 

 

画像解説
①BRASS ENSEMBLE



②BRASS ENSEMBLE_画面構成_Ensemble



③BRASS ENSEMBLE_画面構成_Articulation




④BRASS ENSEMBLE_画面構成_Effects



⑤BRASS ENSEMBLE_SECTION_SETUP



⑥BRASS ENSEMBLE_ARTICULATION_SLOTS




⑦BRASS ENSEMBLE_ピアノロール画面



⑧BRASS ENSEMBLE_プラグイン画面




⑨BRASS ENSEMBLE_アナライザー画面_EQオフ



⑩BRASS ENSEMBLE_アナライザー画面_EQオン



⑪BRASS ENSEMBLE_CHANNEL_EQ画面




⑫BRASS ENSEMBLE_OZONE IMAGER 2_画面



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