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Follow @mushmusicschoolNative Instruments:サードパーティー製KONTAKT音源を活用しよう!第1回 : Auddict : Celestial Voices Calypso(前編:サウンドメイキング)
2021/4/4
作詞・作曲・編曲・DTM
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Follow @mushmusicschoolマッシュミュージックスクール DTM科・トラックメイク科講師の坂本竜太です。
今回から前回まで計8回に渡り解説いたしました「Native Instruments KOMPLETE 12 ULTIMATEにバンドルされている ソフト音源~プラグインをフル活用したトラックメイキング・シリーズ」のスピンオフ企画といたしまして、
同社のKONTAKTフォーマットに最適化されたサードパーティー製のソフト音源の活用方法について解説していきたいと思います。
第1回目となる今回は女性ソプラノのソロヴォーカル音源の「Auddict : Celestial Voices Calypso(前編 : サウンドメイキング)」の解説となります。
KONTAKTフォーマットに最適化されたサードパーティー製のソフト音源の活用方法シリーズ
Native Accessに対応していないサードパーティー製音源のセッティング方法
KOMPLETE ULTIMATEシリーズを使い倒したブログ記事・動画
第1回:ドラムトラック編 (STUDIO DRUMMER)
第2回 : Guitar Rigの活用 : 基礎編 (ギタートラック : イントロ & ベーストラック)
第3回 : Guitar Rigの活用 : 応用編 (ギタートラック)
第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法
第5回 : ACTION STRIKEの使い方~活用方法
第6回 : THE GRANDEUR(ピアノ音源)の使い方~実践的なプラグインの活用方法
第7回 : BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -(ブラス音源)の使い方 ~ 実践的なプラグインの活用方法
第8回 (最終回) : RISE & HITの実践的な活用方法
動画解説
Native Accessに対応していないサードパーティー製音源のセッティング方法
また、私が制作したものの中で
「KOMPLETE 12 ULTIMATE」のライブラリー中心に制作したサウンドトラック集
があります。
こちらも是非ご参考にしてください。
目次
①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう
ますはデモ楽曲を聴いてみましょう。
デモ楽曲
デモ楽曲(Vocalのみ)
いかがでしたでしょうか?
「Celestial Voices Calypso」はとても美しい表情~表現力豊かなオペラテイストのボーカル音源となっており、今回のデモ楽曲のようなゆったりとしたエレクトロニカ系の楽曲を始め、ポップスから本格的なオーケストラアレンジの楽曲まで幅広く活躍してくれる音源となっています。
今回は前編としてこのソフト音源の概要と実践的なサウンドメイキングを中心に解説していきたいと思います。
【Auddict : Celestial Voices Calypso】 : 製品紹介
②Celestial Voices Calypsoの画面構成
では「Celestial Voices Calypso」の画面構成から見ていきましょう。
「Celestial Voices Calypso」は母音の発音に対して12の子音をキースイッチで切り替えることによりナチュラルでリアルなフレーズを作り出せるような構成になっています。(上画像の上部)
また、画面中央部に配置された5種類のマイクポジションを自由にミックスすることが可能なので、 使用する楽曲に合わせたボーカルの音像感をじっくりと作り込むことができ、
左右の「REVERB」と「RELEASE」のノブを エディットすることでよりナチュラルなボーカルフレーズを追求することが可能になっています。
③プラグインによる音の調整~作り込み
3.1 使用プラグイン・聴き比べ
次に「Celestial Voices Calypso」のトラックにインサートされているプラグインを見てみましょう。
今回使用しているプラグインは
◉Gain → ◉Compressor → ◉EQ → ◉Reverb (Raum) → ◉Gain
の順にインサートしています。
ではプラグインをON/OFFの状態で聴き比べてみましょう。
プラグイン_ON
プラグイン_OFF
こうして聴き比べるとプラグインオフの状態の方が中域に「音の溜まり」が感じられるかと思います。
このように「ボーカル = 人間の声」はとても豊かな中域の成分を含んでおり、それ故の「温かみのある響き」が良さでもあるのですが、
今回のデモ楽曲のような曲調の場合、この「音の溜まり」を抑えて「豊かな響きながらもスッキリとした透明感のある質感にエディットする」ことで、他の楽器とのアンサンブルをバランス良く聴かせることができます。
3.2 プラグインの作り込み
ではプラグインごとの設定と役割を見ていきましょう。
◉Gain (Logic Pro X付属)
ここでの「Gain」は「適正なレベルで次にインサートされているコンプレッサーに音を送る」という役割になっています。
「Celestial Voices Calypso」がソフトウェアの特性上、やや小さめの出力となっているため、 「デフォルトのままだとコンプレッサーへ送るレベルが小さすぎてしまう」ため、ここでレベルを「+10.5dB」上げておきます。
こうすることで次にインサートされたコンプレッサーがしっかりと機能してくれるようになります。
↓
◉Compressor (WAVES : RCompressor)
発声のダイナミクスがとても豊かな「Celestial Voices Calypso」ですが、「その豊かさ故に音量的に膨らみすぎてしまう発声やノートが出てきてしまう」ため、ここではダイナミックながらも全体的なレベルのバランスを保つ役割となっています。
今回は最大のリダクション値が「-6.2dB」とやや深めの設定になっていますが、アタックとリリースを浅めの設定にすることにより、 ボーカルの響きに影響が出ないようにしています。
▲Attack : 22.5 / ▲Release : 55.5 / ▲Threshold : -8.5 / ▲Ratio : 2.00
↓
◉EQ (WAVES : Q10)
ここでのEQは先述の中域の「音の溜まり」を解消させる役割となっているので、アナライザーで特定の帯域を確認しながら500Hz~1000Hz辺りを抑えています。
ここでのポイントは「複数のEQポイント(今回は3カ所)を設定してそれぞれ狙った帯域を抑えていく」という点です。
このように「抑えたい帯域を複数のEQポイントで調整していく」ことで、より緻密なサウンドメイキングが可能になってきます。
▲515Hz : -15.5dB / Q : 15.5 / ▲707Hz : -10.5dB / Q : 10.5/ ▲1145Hz : -12.5dB / Q : 12.5 / ▲7500Hz : +1.5dB / Q : 8.5 / ▲15000Hz : +1.5dB / Q : 8.5 /
↓
◉REVERB (Native Instruments : RAUM )
今回のリバーブは豊かな量感とキメ細かな質感が特徴的な「Native Instruments : RAUM」を使用しています。
リバーブをインサートする際に気をつけておきたいポイントとしては「リバーブ後の音の膨らみは原音 = リバーブに入ってくる前の音のEQの質感に左右される」という点です。
今回はひとつ前のEQで中域の「音の溜まり」を解消させているので伸びやかなリバーブ効果を得られていますが、
この中域の「音の溜まり」が解消されていない状態でリバーブをかけた場合、「そのまま中域の音の溜まり部分にもリバーブの成分が適用されてしまう」ため、不要な中域までも膨れ上がってしまうことになりますので、リバーブ前のEQ処理はしっかりと行っておきましょう。
またこれはボーカル音源に限らず全ての音源に共通するポイントです。
【Native Instruments : RAUM】 : 製品紹介
↓
◉Gain (Logic Pro X付属)
最後にインサートしている「Gain」はこのソフト音源のマスターボリュームとしての役割となっています。
と言いますのも、「ボーカルトラックにボリュームのオートメーションを書いているため、このトラックのボリュームフェーダーは常にオートメーションで設定されたレベルを優先して追従する」ようになっています。
ですので、仮にこのトラックのフェーダーを極端に-60dBにしたとしても楽曲を再生するとオートメーションで書かれた数値に強制的に引っ張られてしまう、という現象が起こります。
なので、「オートメーションでバッチリとエディットしたままの状態でボーカルトラック全体のレベルを上げ下げしたい」という場合は、今回のように
「プラグインの最後にGainをインサートしてその値でそのトラックのレベルを調整する」という方法がオススメです。
ここでの「Gain」の値はオートメーションの値に左右されることがないので、全体のバランスを保ったままトラック全体のレベルを調節することができます。
いかがでしたでしょうか?
今回の「Celestial Voices Calypso」は表情豊かなハイクオリティーな音源ながらも操作性の良い分かりやすいインターフェースとなっていますので、複雑そうなボーカル音源の中でも比較的導入しやすい音源となっているかと思います。
今回のブログを参考にしていただき、ぜひ皆さんの楽曲でも使ってみていただければと思います。
次回は「後編 : MIDIの打ち込みのコツ~キースイッチの活用」の解説となりますのでお楽しみに!
下記に本日のまとめと実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。
坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ
【フルレングスヴァージョンの試聴 : Audiostock】
【坂本講師が「KOMPLETE 12 ULTIMATE」のライブラリー中心に制作したサウンドトラック集】
KOMPLETE ULTIMATEシリーズを使い倒したブログ記事・動画
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第2回 : Guitar Rigの活用 : 基礎編 (ギタートラック : イントロ & ベーストラック)
第3回 : Guitar Rigの活用 : 応用編 (ギタートラック)
第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法
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第6回 : THE GRANDEUR(ピアノ音源)の使い方~実践的なプラグインの活用方法
第7回 : BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -(ブラス音源)の使い方 ~ 実践的なプラグインの活用方法
第8回 (最終回) : RISE & HITの実践的な活用方法
【今回の音源を使用した講師制作の参考楽曲 : YouTube】
まとめ
①「Celestial Voices Calypso」を始めボーカル音源のプラグイン処理はEQがキモ!
「音の溜まり」を解消させるコツを掴もう!
②リバーブの効果はその前までにエディットした音の状態にに大きく左右されるの点をしっかりと理解しよう!
実践ガイド
今回の流れをオーディオデータと画像で解説
デモ楽曲
デモ楽曲(Vocalのみ)
プラグイン_ON
プラグイン_OFF
画像解説
①CALYPSO_メイン画面
②CALYPSO_プラグイン画面
③CALYPSO_プラグイン_GAIN
④CALYPSO_プラグイン_COMPRESSOR
⑤CALYPSO_プラグイン_EQ
⑥CALYPSO_プラグイン_RAUM
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