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マッシュミュージックスクール DTM科トラックメイク科講師の坂本竜太です。

前回に引き続き、スピンオフ企画
「Native InstrumentsのKONTAKTフォーマットに最適化されたサードパーティー製のソフト音源の活用方法」について解説していきたいと思います。
第3回目:前編となる今回は叙情的で優美なサウンドやアーティキュレーションが特徴的なソロ・バイオリン音源「Spitfire Audio : Spitfire Solo Violin」の解説となります。

※また、第1,2回のブログでは「Native Accessに対応していないKONTAKTフォーマットの音源」についての解説となっていましたが、今回の「Spitfire Solo Violin」は「Native Access対応音源」となっています。
Native Accessに対応していないサードパーティー製音源のセッティング方法

 

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KONTAKTフォーマットに最適化されたサードパーティー製のソフト音源の活用方法シリーズ
Native Accessに対応していないサードパーティー製音源のセッティング方法
第1回 : Auddict : Celestial Voices Calypso(前編:音源の管理・サウンドメイキング)
第1回 : Auddict : Celestial Voices Calypso(後編:MIDIの打ち込みのコツ~キースイッチの使い分け)
第2回:Impact Soundworks:VOCALISA – Slavic Women’s Choir(前編 : 概要とサウンドメイキング)
第2回:Impact Soundworks:VOCALISA – Slavic Women’s Choir(後編 : MIDIの打ち込みのコツ~キースイッチの使い分け)


KOMPLETE ULTIMATEシリーズを使い倒したブログ記事・動画

第1回:ドラムトラック編 (STUDIO DRUMMER)
第2回 : Guitar Rigの活用 : 基礎編 (ギタートラック : イントロ & ベーストラック)
第3回 : Guitar Rigの活用 : 応用編 (ギタートラック)
第4回 : DAMAGEの使い方 ~ 活用方法
第5回 : ACTION STRIKEの使い方~活用方法
第6回 : THE GRANDEUR(ピアノ音源)の使い方~実践的なプラグインの活用方法
第7回 : BRASS ENSEMBLE - SYMPHONY ESSENTIALS -(ブラス音源)の使い方 ~ 実践的なプラグインの活用方法
第8回 (最終回) : RISE & HITの実践的な活用方法

 

動画解説


Native Accessに対応していないサードパーティー製音源のセッティング方法

 

また、私が制作したものの中で 
「KOMPLETE 12 ULTIMATE」のライブラリー中心に制作したサウンドトラック集
があります。
こちらも是非ご参考にしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①まずはデモ楽曲を聴いてみましょう

 

ますはデモ楽曲を聴いてみましょう。

 

デモ楽曲


デモ楽曲(Violinのみ)


いかがでしたでしょうか?
各種DAWソフトに付属してるストリングス音源や、サードパーティー製の「いわゆるオーケストラ音源」と呼ばれるものの多くは 「複数名のプレーヤーで演奏されたストリングス・セクションを収録したものが中心」となっている中で、 「Spitfire Solo Violin」はその名の通りソロ・プレイのヴァイオリンに特化した音源となっており、 今回のデモ楽曲ような叙情的なインストゥルメンタル音楽からクラシック音楽まで幅広く活用できる音源となっています。 今回は前編として「Spitfire Solo Violinの音源の概要と実践的なサウンドメイキング」を中心に解説していきたいと思います。

【Spitfire Audio : Spitfire Solo Violin】 : 製品紹介 (SONICWIRE)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②Spitfire Solo Violinの画面構成



では「Spitfire Solo Violin」の画面構成から見ていきましょう。
まず、「Spitfire Solo Violin」は
「マイクの距離感やダイナミクス・ミュートオフ・エクスプレッション・ビブラートといった楽器の基本的な演奏スタイルを表示する画面」と、



「C (クローズ) = 楽器の近くに配置されたマイク」
「T (ツリー) = 指揮者が立っている位置に配置されたマイク」
「A (アンビエント) = 客席の高い位置に配置されたマイク」
3種類のマイキングをブレンドする画面の、
2種類の画面から構成
されています。



また、この2種類の画面は「ソフト音源の画面左側の「SPITFIRE SOLO VIOLINのロゴマークの上の、“Simple”、 “Advanced”のタブをそれぞれクリックして切り替えることができます。

この辺りの仕様はSpitfire Audioの他の音源に関しても共通となっていますので、この機会にぜひ覚えていただければと思います。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③「Simple」「Advanced」の設定による基本的なサウンドメイキング

次に「Simple」「Advanced」の各種パラメーターを見ていきましょう。

 

 

3.1 「Simple」

 

まず、「Simple」のタブの画面ですが↓

◉Close / Far : 楽器全体の音像を決めるマイクの距離感 
今回のデモ楽曲ではセンター付近に設定し、楽曲の中でバランスの良く響くサウンドになるようにしています。

◉DynamicsとVibrato : 「Dynamics」は演奏の強弱を調整し「Vibrato」はビブラートのかかり具合を調整するパラメーターとなっているのですが、この2つのパラメーターはピアノロールで打ち込むオートメーションがキモとなってきますので、詳しい設定方法につきましては本ブログの後編にて解説したいと思います。

◉Mute on / off : こちらは音質を調整するパラメーター
今回のデモ楽曲では「Mute offのエリアのセンター付近に設定」しています。
この辺りは実際にパラメーターを動かしてみて好みのサウンドを探してみましょう。

◉Expression : 「Dynamics」が「演奏の強弱 = 音色そのものが変化するパラメーター」になっているのに対し、
「Expression」は「音量のみを調整するパラメーター」になっていますので、設定によって音色そのものが変わってしまうことはありません。
今回のデモ楽曲では「Dynamics」のパラメーターのみで音色をコントロールしているので、 この「Expression」は未使用となっていますが、「Dynamics」で演奏の強弱をつけて、さらに微細な表情も調整したい、 という場合はぜひ活用してみましょう。

 

 

 

 

 

3.2 「Advanced」

 

次に「Advanced」のタブの画面ですが、こちらは主に「各マイクポジションのミックスバランスを調整する画面」と 捉えていただいて良いかと思います。
他にも細かなパラメーターはあるのですが、 まずははこの「各マイクポジションのミックスバランスを調整することによる音色の変化」のみに絞ることで 「Spitfire Solo Violin」の魅力をスムーズに感じ取り、即戦力として楽曲に活かせるようになります。

今回のデモ楽曲では「C (クローズ) = 楽器の近くに配置されたマイク、T (ツリー) = 指揮者が立っている位置に配置 されたマイク、A (アンビエント) = 客席の高い位置に配置されたマイク」がそれぞれ同じミックスバランスになっていますが、 この辺りは実際にパラメーターを動かしてみて、その音色の変化を感じながらミックスバランスを調整してみましょう。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④プラグインによる音のエディット~作り込み

 

4.1 使用プラグイン・聴き比べ

 

次に「Spitfire Solo Violin」のトラックにインサートされているプラグインを見ていきましょう。
今回使用しているプラグインは

①Compressor (WAVES : Rcompressor) → ②EQ (WAVES : Q10) → ③Reverb (Native Instruments : Raum)

の順にインサートしています。↓

今回は「Spitfire Solo Violion」自体の音作りが非常に緻密に作られているため、プラグインでのエディットは最小限に留めています。
ではプラグインをON/OFFの状態で聴き比べてみましょう。


プラグイン_ON


プラグイン_OFF


こうして聴き比べると「プラグインオフの状態だと中低域がやや膨らんで聴こえ、音が太すぎる印象がある」かと思います。
バイオリン音源に限らずドラム音源やピアノ音源等にも同じことが言えるのですが、 近年のソフト音源はかなり原音に忠実にレコーディングされているため、単体で聴くととてもリアルな響きなのですが、「楽曲 = アンサンブルの中の1パートとして考えると、ややリアル過ぎてしまう傾向」にあります。
このため、EQ等のプラグインでこの「リアル過ぎるサウンドをしっかりとエディットする」ことが大切になってきます。
皆さんが普段聴いているアーティストの楽曲も全てのパートにおいてこの工程を経て作られていますので、まずはそのイメージだけでも思い描いてみましょう。


 

 

 

 

 

4.2 プラグインの作り込み


ではプラグインごとの設定と役割を見ていきましょう。

①Compressor (WAVES : RCompressor)
ここでのコンプレッサーの役割は「音が次のプラグインへ入る前の下準備的な役割」となっており、 最大のリダクション値が「-2.2dB」と軽めのセッティングになっています。
また、今回のようにコンプレッサーには「フレーズに豊かな抑揚を持たせながらも、豊かすぎてレベルの振れ幅が大き過ぎてしまうのを抑える効果」もありますので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

▲Attack : 25.5 / ▲Release : 55.5 / ▲Threshold : -8.5 / ▲Ratio : 2.00

 

 

 

②EQ (WAVES : Q10)
ここでのEQは先述の低域~中域の「帯域の溜まりを解消させる役割」がメインとなっていますので、 アナライザーで特定の帯域を確認しながら355Hz~500Hzを-2.5dB抑えています。

▲355Hz : -2.5dB / Q : 8.5 ▲550Hz : -2.5dB / Q : 8.5 ▲5000Hz : +0.5dB / Q : 8.5

 

 

 

③REVERB (Native Instruments : RAUM)

今回のリバーブは豊かな量感とキメ細かな質感が特徴的な「Native Instruments : RAUM」を使用しています。
筆者のブログでがお馴染みになりましたが、リバーブをインサートする際に気をつけておきたいポイントとしては「リバーブ後の音の膨らみは原音(リバーブに入ってくる前の音)のEQの質感に左右される」という点です。
この中低域の「音の溜まり」が解消されていない状態でリバーブをかけた場合、「そのまま中域の音の溜まり部分にもリバーブの成分が適用されてしまう」ため、不要な中域までも膨れ上がってしまうことになりますので、リバーブ前のEQ処理はしっかりと行っておきましょう。
また、リバーブ自体のローカットパラメーターも駆使することで、よりクリアで伸びやかなリバーブ効果を得ることができます。
これは全ての音源に対して共通するポイントとなってきます。
【Native Instruments : RAUM】 : 製品紹介 

▲Feedback : 0.0% / ▲Predelay : 0.00ms / ▲Low Cut : -5.50 dB / ▲High Cut : Off ▲Mix : 35.5% / ▲Reverb : 100% / ▲Diffusion : 25.0% / ▲Size : 50.0% / ▲Decay : 1.5s ▲Modulation : 0.0% / ▲Damp : 0.0%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
今回の「Spitfire Solo Violin」は大編成のオーケストラ音源では表現できない、 ソロ・バイオリン独特の擦弦感やボディーの響き、流麗なビブラートまでも忠実に再現した音源となっています。
今回のブログを参考にしていただき、ぜひ皆さんの楽曲でも使ってみていただければと思います。
次回は「後編 : MIDIの打ち込みのコツ~キースイッチが不要とは?」の解説となりますのでお楽しみに!

下記に本日のまとめ実践ガイドも書き記してあります。
ご自身の音楽生活に役立ててください!
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
是非一度、当スクールレッスンにも遊びに来てください。

坂本竜太講師の執筆ブログ記事ページ

【フルレングスバージョンの試聴 : Audiostock】

坂本講師が「KOMPLETE 12 ULTIMATE」のライブラリー中心に制作したサウンドトラック集


KONTAKTフォーマットに最適化されたサードパーティー製のソフト音源の活用方法シリーズ

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第1回 : Auddict : Celestial Voices Calypso(前編:音源の管理・サウンドメイキング)
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第8回 (最終回) : RISE & HITの実践的な活用方法

【今回の音源を使用した講師制作の参考楽曲 : YouTube】


 

 

 

 

 

 

まとめ

①「Spitfire Solo Violin」は表情豊かなソロ・バイオリン音源ながらもパラメーターは直感的にエディット可能!
まずはどんどんパラメーターを動かしてみよう!

②EQで中低域の膨らみを抑えることがクリアなリバーブ効果を得るためのポイント!
「どこの帯域が溜まり過ぎているか?」は 周波数や「Q」の幅をエディットしながらじっくりと確認しよう!

③リバーブも中低域の処置がキモ!
リバーブのローカットEQを活用しブライトで透き通るようなリバーブ効果を作り出そう!

 

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